こんにちは、しけなぎです!
今回は、パルプ・紙業界に注目して銘柄分析をお届けします。
この記事では、業界の概要や最新データを公開し、注目の銘柄について詳しく解説します。
ぜひ最後までご覧いただき、投資の参考にしていただければ幸いです!
パルプ・紙業界の概要

パルプ・紙業界は、紙の製造やパルプの供給を中心とした基盤産業で、さまざまな用途に対応する製品を提供しています。
新聞用紙や段ボールなどの包装材、トイレットペーパーやティッシュといった家庭用品、さらには特殊な産業用紙など、多岐にわたる製品群を支えています。
以下に、業界全体の概要を整理しました。
- 多様な需要に対応
- パルプ・紙業界は、日常生活に密接した消費財を提供する一方で、産業向け包装材や特殊用途の紙製品など、多様な需要に対応しています。
- 特に、近年はeコマースの拡大に伴う段ボール需要が業績を後押ししています。
- 国内市場の安定性
- 日本国内では安定した消費が続いており、トイレットペーパーやティッシュペーパーなどの衛生用品は生活必需品として強い需要基盤を持っています。
- これにより、安定した収益性を維持しやすい業界といえます。
- 再生可能資源を活用
- パルプは木材を原料とする再生可能資源であり、リサイクルが進むことで環境への配慮も強化されています。
- この業界は、持続可能な製品作りが評価される点で、ESG投資の注目分野となっています。
その他製品業界は、多様な製品群を扱うため、その市場動向は製品ごとに異なります。
また、製品の種類によっては、景気変動や消費者ニーズの変化に大きく左右されるものもあります。
これらの特徴を理解することで、業界全体の強みや課題をより明確に捉えることができます。
- 原材料価格の変動
- パルプや燃料の価格は国際的な市場の影響を受けやすく、原材料費の高騰が利益を圧迫する可能性があります。
- こうした外部要因への対応が、業界の課題として挙げられます。
- デジタル化による紙需要の減少
- 新聞や雑誌の需要がデジタル化の進展により減少傾向にある一方で、段ボールや高付加価値製品など、成長分野へのシフトが求められています。
- 海外市場への展開
- 国内市場の成熟化が進む中で、アジアを中心とした海外市場への展開が企業の成長戦略として注目されています。
- 特に、経済成長が著しい地域では、包装材や衛生用品の需要が増加しています。
パルプ・紙業界は、eコマースの発展による包装材需要や環境意識の高まりによるリサイクル紙の普及といった新たな成長機会を捉えています。
一方で、デジタル化による紙需要の減少という構造的な課題にも直面しており、各社は製品ポートフォリオの転換を進めています。
国内の安定した消費基盤を活かしながら、海外市場の成長を取り込むことで、持続可能な発展を目指すパルプ・紙業界は、今後も注目に値する分野といえます。
パルプ・紙業界業界の市場動向
パルプ・紙業界は、包装材や印刷用紙、ティッシュペーパーなど、私たちの日常生活や産業活動に欠かせない製品を提供する重要なセクターです。
ここでは、現在のトレンドと過去数年の推移を中心に、市場全体の動向を整理します。
現在のトレンド
- 環境規制の強化
- 持続可能性への関心が高まる中、業界全体で環境負荷を軽減する取り組みが進んでいます。
- 再生可能な素材を使用した製品や、生産工程における二酸化炭素排出削減が注目されています。
- 電子媒体の台頭
- デジタル化の進展により、新聞や雑誌などの印刷用紙の需要が減少傾向にあります。
- 一方で、電子商取引の拡大に伴い、段ボールやパッケージング用紙の需要は堅調に推移しています。
- 新興国市場の成長
- 新興国では、人口増加と経済成長により、衛生用紙や包装材の需要が拡大しています。
- これにより、アジア市場を中心に供給体制の強化が進められています。
過去数年の推移
- 成長率の推移
- 業界全体では、コロナ禍の影響を受けて一部の需要が減少しましたが、その後の経済回復に伴い、包装材や家庭用紙製品の需要が回復基調にあります。
- 特にオンラインショッピングの拡大が段ボール需要を押し上げました。
- 主要指標の動向
- 生産コストの増加が一部の企業に影響を及ぼしています。
- 特に、原材料価格やエネルギーコストの上昇が利益率に影響を与えていますが、多くの企業が効率化やコスト削減の施策を進めています。
パルプ・紙業界は、環境規制やデジタル化といった外部要因に影響を受ける一方で、包装材や衛生用紙など、安定した需要が見込まれる分野を持つ業界です。
これらの動向を踏まえ、次に注目銘柄の分析を進めていきます!
【2025年1月11日時点】パルプ・紙業界の銘柄リスト

今回ご紹介するパルプ・紙業界のデータを、わかりやすくまとめたGoogleスプレッドシートを作成しました。
このシートには、2025年1月11日時点の株価情報をもとに、基本情報や財務指標、業界特有の注目データを整理しています。
【2025年1月11日時点】パルプ・紙業界の銘柄リスト – Google スプレッドシート
スプレッドシートの主な内容
このスプレッドシートでは、次のような情報を一覧で確認できます。
- 配当利回り、配当性向、自己資本比率、有利子負債比率
- PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)、ROE(株主資本利益率)
- 優待の有無や直近3ヶ月の株価変化率
さらに、投資判断に必要な情報を幅広くカバーしていますので、パルプ・紙業界全体の現状把握や個別銘柄の分析に役立てていただけます。
このスプレッドシートは、パルプ・紙業界に興味をお持ちの方や、投資判断に必要なデータを探している方に最適なツールです。
ご自身の投資スタイルや目標に合わせて、ぜひお役立てください!
注目の銘柄ピックアップ
今回のリストから、パルプ・紙業界の中でも特に注目したい銘柄をいくつかピックアップしました。
それぞれの銘柄について、事業の特徴や魅力、そして投資判断のポイントを簡単にまとめています。
これからの投資のヒントになれば嬉しいです!
王子ホールディングス(3861)

王子ホールディングスは、1873年創業の老舗企業で、国内最大手の製紙メーカーとして知られています。
板紙や新聞用紙、包装紙など多岐にわたる製品を展開し、海外市場でも積極的に事業を拡大しています。
基本情報
- 株価: 595円
- 時価総額: 6,036億円
- PER(株価収益率): 10.28倍
- ROE(自己資本利益率): 5.07%
- 自己資本比率: 43.7%
- 配当利回り: 4.03%
特徴と魅力
- 安定した業績基盤
- パルプ・紙業界のリーディングカンパニーとして、国内外で幅広い事業を展開しています。
- 2025年度の売上高は1兆8,770億円、営業利益率は3.73%を記録しており、安定した収益基盤を構築しています。
- 財務の健全性
- 自己資本比率は43.7%と、業界平均と比べて堅実な水準です。
- 純資産は10,955億円に達しており、減配実績が一度もない点も財務の健全性を裏付けています。
- 株主還元と優待制度
- 株主優待として自社グループ製品のカタログギフトなどを提供しています。
- 配当利回りは4.03%と高水準であり、安定した配当政策が魅力的です。
- 成長性
- 国内市場では成熟傾向があるものの、海外市場での積極的な展開により成長の余地が期待されています。
- 特に、環境配慮型製品の開発やリサイクル技術の強化が、競争力向上につながると見られています。
投資ポイント
王子ホールディングスは、長い歴史を持ちながらも、減配実績がない点に非常に安心感を感じます。
株主優待としての自社グループ製品の提供も個人的には嬉しいポイントで、生活に密着した製品を手にできるのは魅力的ですね。
一方で、成長性を考えると、国内市場の限界を乗り越えるための海外展開が鍵になりそうです。
配当利回り4.03%という安定感から、長期保有を考える方におすすめの銘柄といえます。

レンゴー(3941)

レンゴーは、板紙や段ボールの国内最大手であり、樹脂系包装材など幅広い分野で事業を展開しています。
環境対応型製品の開発や生産体制の効率化を進めることで、安定した成長を実現している企業です。
基本情報
- 株価: 856円
- 時価総額: 2,321億円
- PER(株価収益率): 6.06倍
- ROE(自己資本利益率): 8.28%
- 自己資本比率: 36.3%
- 配当利回り: 3.50%
特徴と魅力
- 安定した業績
- 段ボールや包装材などの安定した需要に支えられ、堅実な業績を維持しています。
- 2025年度の売上高は9,007億円、営業利益率は5.42%を記録しており、収益基盤の強さが際立っています。
- 財務の健全性
- 自己資本比率は36.3%とやや低めではあるものの、長年にわたり安定した財務基盤を維持。
- 純資産は4,339億円に達しており、事業の安定性が伺えます。
- 株主還元と配当政策
- 累進配当政策を採用しており、株主還元を重視した経営姿勢が特徴です。
- 連続増配は1年目で、減配実績がない点も魅力的です。
- 成長性
- 環境対応型製品の需要拡大や国内外の物流業界の成長を背景に、今後も堅実な成長が見込まれます。
- また、段ボールリサイクルや新素材開発など、持続可能性を意識した取り組みが企業価値を高めています。
投資ポイント
レンゴーは、累進配当政策を採用している点が魅力的です。
配当利回り3.50%は安定的で、株主還元への積極的な姿勢が感じられます。
一方で、自己資本比率がやや低い点には注意が必要かもしれません。
ただ、段ボールや包装材といった安定した需要を背景に、収益基盤は堅固で、減配実績がないことからも長期的な保有に適していると感じます。
環境対応型製品の開発やリサイクル事業にも注力しており、ESG投資の観点からも注目に値する銘柄だと思います!
ザ・パック(3950)

ザ・パックは、ショッピングバッグや紙袋、ポリ袋などの包装資材を中心に事業を展開する企業です。
特にEC向けの包装材に注力し、環境に配慮した製品開発も積極的に行っています。
基本情報
- 株価: 3,420円
- 時価総額: 681億円
- PER(株価収益率): 10.14倍
- ROE(自己資本利益率): 8.29%
- 自己資本比率: 71.9%
- 配当利回り: 3.45%
特徴と魅力
- 堅実な業績
- 多様な顧客層を抱えることで安定した売上を維持しています。
- 2024年度の売上高は約977億円、営業利益率は7.92%と堅調な業績を示しています。
- 高い財務安定性
- 自己資本比率が71.9%と高水準で、財務の健全性は際立っています。
- また、純資産が711億円に達しており、安定した経営基盤が整っています。
- 株主優待と配当政策
- 12月には1,000円相当のクオカード、6月には500円相当の図書カードが株主優待として提供されており、保有者にとって嬉しい特典です。
- 配当利回りは3.45%と比較的高水準で、連続増配を2年間続けている点も注目に値します。
- ただし、過去に1回の減配実績があるため、安定した配当を求める場合はその点を考慮する必要があります。
- 成長性
- 環境意識の高まりに伴い、同社が取り扱うエコ包装資材の需要は今後も増加が見込まれます。
- さらに、EC市場の拡大によって紙袋や段ボールなどの包装資材全般の需要が安定していることも、成長を支える要因となっています。
投資ポイント
ザ・パックは、包装資材の需要を背景に安定感のある業績と強固な財務基盤を持つ企業です。
特に、株主優待として提供されるクオカードや図書カードは、日常生活で使いやすく、個人的には非常に魅力的だと感じます。
一方で、過去に減配実績があることや、配当利回りが控えめな点は考慮したいポイントです。
それでも、長期的に保有しながら配当と優待を楽しむスタイルに適した銘柄ではないでしょうか。
特種東海製紙(3708)

特種東海製紙は、特殊紙および段ボール原紙の製造を主力とし、国内市場で安定した地位を築いています。
東海パルプとの統合を経て、より効率的な事業展開を実現しています。
基本情報
- 株価: 3,560円
- 時価総額: 463億円
- PER(株価収益率): 9.77倍
- ROE(自己資本利益率): 6.16%
- 自己資本比率: 57.8%
- 配当利回り: 3.37%
特徴と魅力
- 安定した業績
- 段ボール原紙や特殊紙の国内需要を背景に、堅調な売上を維持しています。
- 2024年度の売上高は865億円、営業利益率は5.31%と安定感のある収益基盤が強みです。
- 財務の健全性
- 自己資本比率は57.8%と高水準で、財務体質の安定性が際立っています。
- 純資産は839億円に達し、負債の適切な管理が行われています。
- 株主還元と配当政策
- 連続増配を1年達成しており、株主還元に一定の積極性を見せています。
- 減配実績が1回ありますが、現状では配当利回り3.37%と比較的高い水準を維持しています。
- また、株主優待として図書カード、トイレットペーパーやクッキングペーパーが提供されている。
- 成長性
- 物流や食品包装などの分野で、段ボール原紙や特殊紙の需要が増加傾向にあります。
- さらに、環境意識の高まりを背景に、リサイクル可能な紙製品への需要が、同社の成長を後押しする可能性があります。
投資ポイント
特種東海製紙は、実用的な株主優待と配当利回り3.37%が魅力の企業です。
減配実績がある点は少し気になるものの、財務の健全性や堅実な事業運営が、長期投資を検討する上での安心材料となります。
特に、段ボール原紙や特殊紙というニッチな市場で安定したシェアを持つことは、成長性を期待できるポイントです。
優待も日常で役立つアイテムが多いため、実用性を重視する方におすすめの銘柄です!
中越パルプ工業(3877)

中越パルプ工業は、総合製紙の中堅企業で、王子ホールディングスの持分法対象企業として安定した事業展開を行っています。
新聞用紙や包装用紙を主力とし、環境配慮型製品の需要増加に対応しています。
基本情報
- 株価: 1,506円
- 時価総額: 201億円
- PER(株価収益率): 5.74倍
- ROE(自己資本利益率): 6.90%
- 自己資本比率: 43.1%
- 配当利回り: 4.65%
特徴と魅力
- 安定した業績
- 総合製紙分野で安定した売上を維持しており、新聞用紙や包装用紙の需要に応えることで堅調な業績を誇ります。
- 2024年度の売上高は1,078億円、営業利益率は5.72%と安定感のある収益基盤が特徴です。
- 財務の健全性
- 自己資本比率は43.1%と標準的な水準で、財務の健全性が確保されています。
- 純資産は556億円に達し、負債比率も適切に管理されており、長期的な事業運営に耐えうる基盤を構築しています。
- 株主還元と配当政策
- 連続増配を2年達成しており、株主還元に前向きな姿勢を示しています。
- 一方で、過去に1回の減配実績がありますが、現状では配当利回り4.65%と魅力的な水準を維持しています。
- 成長性
- 新聞用紙の需要減少に対応し、包装用紙や環境対応型製品へのシフトを進めています。
- 特に、プラスチック削減の潮流を受けた紙製品の需要増加が、同社の成長を後押しする可能性があります。
投資ポイント
中越パルプ工業は、安定した業績と高い配当利回りが魅力の銘柄です。
過去の減配実績がやや気になる点ではありますが、増配を継続している姿勢は評価できます。
包装用紙や環境対応型製品の需要が期待される中、業績のさらなる向上が見込まれる企業だと感じます。
配当利回り4.65%という高水準も魅力的で、安定した収益を求める長期投資家に適した銘柄ではないでしょうか。
まとめ
今回ご紹介したパルプ・紙業界の注目銘柄は、それぞれが個性豊かで魅力的な特徴を持っています。
以下に今回取り上げた銘柄を簡単に振り返ります。
- 王子ホールディングス(3861)
- 製紙業界のリーディングカンパニーとして国内外で事業展開。
- 3年連続増配、減配実績なしで、安定した株主還元が魅力です。
- 配当利回りは4.03%、自己資本比率43.7%と安定性のある銘柄です。
- レンゴー(3941)
- 板紙・段ボールの大手企業。
- 累進配当政策を採用し、1年連続増配。
- 配当利回りは3.50%、自己資本比率36.3%と堅実な配当政策が特徴です。
- ザ・パック(3950)
- ショッピングバッグ大手で、EC向け包装も展開。
- 2年連続増配、株主優待としてQUOカードや図書カードを提供。
- 配当利回りは3.45%、自己資本比率71.9%と高い財務安定性が魅力です。
- 特殊東海製紙(3708)
- 特殊紙や段ボール原紙を主力とし、包装紙需要増加が追い風に。
- 株主優待として実用的なトイレットペーパーや図書カードを提供しています。
- 配当利回りは3.37%で、1年連続増配を記録しており、堅実な企業運営が印象的です。
- 中越パルプ工業(3877)
- 総合製紙の中堅企業で、新聞用紙や包装用紙を中心に事業展開。
- 近年は包装分野での成長に注力し、業績の回復が見られます。
- 配当利回りは4.65%と高水準で、2年連続増配を達成しています。
私なら、ザ・パック(3950)を選ぶと思います。
配当利回りは3.45%と高くはありませんが、QUOカードや図書カードといった株主優待が非常に魅力的です。
また、自己資本比率71.9%と高水準の財務健全性が、長期保有の安心感を与えてくれます。
もちろん、中越パルプ工業(3877)の高配当利回りや、王子ホールディングス(3861)の業界トップとしての安定感も捨てがたいです。
それぞれの銘柄に異なる魅力がありますので、投資スタイルや目的に応じて検討していただければと思います。
次回も、パルプ・紙業界だけでなく、さまざまな業界の注目銘柄を深掘りしていきますので、ぜひお楽しみに!
当ブログは、投資の勧誘を目的としたものではありません。
投資に際しては、ご自身の判断と責任で行っていただくようお願い申し上げます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!