株式投資をしていると、「累進配当」という言葉を耳にする機会が増えてきました。
最近では、この累進配当方針を掲げる企業が少しずつ増えてきており、投資家からの注目も高まっています。
累進配当とは、業績が一時的に悪化しても原則として減配せず、配当を維持または増配していく方針のこと。
特に、安定したインカム収入を重視する投資家にとっては、長期で保有しやすい安心材料になります。
この記事では、累進配当の基本的な仕組みやメリットを解説しながら、実際に累進配当方針を掲げている注目企業をピックアップしてご紹介します。
将来の資産形成や安定した配当収入を目指す方にとって、参考になる情報をお届けできればと思います。
本記事では、企業が公式に「累進配当方針」を明言している銘柄を中心にご紹介しています。
ただし、一部の企業については「明文化はされていないものの、継続的な増配実績や中期経営計画での増配方針」などが確認できる場合、実質的に累進配当に近い姿勢と判断し、あわせてご紹介しています。
累進配当の定義は企業によって異なるため、詳細は各企業のIR情報をご確認の上、ご自身の判断でご参考いただければと思います。
累進配当銘柄とは?

「累進配当」とは、業績の変動にかかわらず、減配を避けながら配当を維持・引き上げていく方針のことを指します。
企業がこの方針を明示することで、株主に対して「安定的な配当を届けたい」という強い意思を示すことになります。
実際には、企業ごとに表現や方針の細かさは異なりますが、累進配当を掲げている企業は共通して「減配しないこと」を重視しています。
そのため、一時的な業績悪化があっても、配当を据え置いたり、あえて少額でも増配したりするケースが見られます。
これは、株価が不安定な時期でも安定的なリターンを求める投資家にとって、非常に心強い仕組みといえますね。
なお、配当方針の中で「累進配当」という言葉を明示していなくても、過去に長期的な増配を継続している企業の中には、実質的に累進配当を意識している企業も存在します。
次の章では、そうした累進配当の魅力や企業側のメリットについて詳しく見ていきます。
累進配当の魅力と企業のメリット

累進配当の最大の魅力は、配当が減らない安心感にあります。
通常、企業は業績に応じて配当額を調整しますが、累進配当方針を採る企業は「減配しない」ことを重視し、一時的な業績の悪化があっても配当を維持、もしくは増配を継続することを目指します。
この方針は、長期的に安定したインカム収入を求める投資家にとって非常に心強く、長期保有を促す大きな要因となります。
また、企業側にとっても以下のようなメリットがあります。
- 信頼性の向上
- 累進配当方針を掲げることで、株主に対する誠実な姿勢を明確に示すことができます。
- 結果として、株主との信頼関係を築きやすくなります。
- 株主の長期保有を促進
- 配当が安定していれば、短期的な株価の変動に左右されにくくなり、株主の長期保有を後押しする効果が期待できます。
- 資本政策の明確化
- 累進配当は、一定の利益を安定的に株主に還元するという明確な資本政策です。
- これにより、経営の透明性が高まり、企業価値の向上にもつながる可能性があります。
- 市場からの評価向上
- 減配リスクが低い企業は、マーケットでも一定の評価を受けやすく、株価の安定にも寄与する傾向があります。
このように、累進配当は投資家にとっても企業にとっても「メリットの大きい配当戦略」といえますね。
次の章では、累進配当銘柄を選ぶ際の具体的なチェックポイントについて見ていきましょう。
累進配当銘柄を選ぶ際のポイント

累進配当銘柄は、「減配しない」という姿勢が魅力ですが、実際の投資判断ではその企業が本当に安定した配当を継続できる体力を持っているかをしっかり見極める必要があります。
ここでは、累進配当銘柄を選定する際にチェックしておきたいポイントを、具体的な数値目安とともにご紹介します。
- 財務健全性:自己資本比率が50%以上、負債比率が100%以下
- 配当成長の持続性:過去5年以上減配がない、または連続増配の実績あり
- ROE(株主資本利益率):10%以上
- 営業利益率:製造業なら5%以上、サービス業なら10%以上
- 配当性向:30〜50%の範囲で推移
- 配当金残年数:10年以上の配当維持余力があること
累進配当の方針が明示されているか
まず確認したいのは、企業がIR資料や中期経営計画などで累進配当方針を明言しているかどうかです。
「累進配当方針を基本とする」「減配は行わない方針」などの表現が見られれば、配当に対する経営の本気度が伺えます。
財務の健全性(自己資本比率・負債比率)
累進配当の継続には、安定した財務基盤が不可欠です。
- 自己資本比率:50%以上
- 自己資本比率が高い企業は、財務の安定性が高く、景気の変動にも強い傾向があります。
- 負債比率:100%以下(自己資本と比較した有利子負債の比率)
- 負債が少ない企業は、フリーキャッシュフローを配当に回しやすく、無理のない還元が可能です。
配当の履歴(増配年数・減配の有無)
企業が過去にどれだけ安定して配当を出し続けているかも、累進配当銘柄としての信頼性に直結します。
- 連続増配年数:5年以上が目安
- 直近10年間で減配がないこと(あるいはリーマンショックやコロナなどでも維持)
これらの実績があれば、企業が配当に強いこだわりを持っていることがうかがえます。
配当性向とその推移
配当性向が高すぎると、業績悪化時に配当維持が難しくなることがあります。
- 配当性向:30〜50%がひとつの目安
- この範囲ならば、利益成長と配当継続のバランスが取りやすいと言えますね。
また、年々の推移を確認することで、企業の還元姿勢が安定しているかも見えてきます。
収益性(ROE、営業利益率)
収益性が高い企業ほど、将来的な配当余力があると考えられます。
- ROE(自己資本利益率):10%以上
- 株主資本を有効活用して利益を上げている企業は、安定した配当原資を確保しやすいです。
- 営業利益率:業種に応じて5~10%以上が目安
- 製造業なら5%以上、サービス業などでは10%以上あれば、コスト競争力のある企業と見なせます。
これらの指標を総合的にチェックすることで、「本当に長く配当を出し続けられる企業かどうか」が見えてきます。
次の章では、実際に累進配当方針を掲げている注目企業をピックアップしてご紹介していきます。
注目の累進配当銘柄
安定した配当を重視する投資家にとって、累進配当方針を掲げる企業は心強い存在です。
業績の一時的な変動があっても減配せず、配当を維持または増やしていく姿勢は、長期での資産形成を目指すうえで大きな安心材料になります。
ここでは、累進配当を明言している企業や、実質的に累進配当を継続している注目企業を厳選し、それぞれの特徴や投資のポイントをご紹介します。
配当の安定性と将来性の両方を重視される方にとって、銘柄選びの参考になればうれしいです。
ツイッター(X)で、データ更新のたびに注目銘柄リストを載せています。
気になる方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
📌累進配当銘柄リストを、本日時点の株価で更新しました!
— しけなぎ@銘柄分析ツール公開中📊 (@shikenagi110) April 23, 2025
「できるだけ安定した配当をもらいたいな」
そんな方に向けて、財務・配当・増配実績などの情報をギュッとまとめたリストを作りました📊
前回より株価が上がってきた銘柄も多いですが、まだまだ割安感のある企業もちらほら見えます。
✅… pic.twitter.com/DEBObCZaTJ
全ての累進配当銘柄を一覧で確認したい方は、以下のページから銘柄分析ツールをご活用ください。
「累進配当」ボタンを押すだけで、一覧で確認・比較が可能です。


INPEX(1605)

INPEXは、原油・天然ガスなどエネルギー資源の探鉱・開発を手がける、日本最大級の資源開発企業です。
政府が黄金株を保有する戦略的企業でもあり、財務の安定性とインフラ性のある事業構造が魅力です。
高配当株としても知られていますが、近年は株主還元方針を強化し、累進配当を明確に掲げている点が特に注目されています。
基本情報
- 株価: 1,886円
- 時価総額: 23,741億円
- PER: 7.53倍
- PBR: 0.5倍
- ROE: 9.46%
- MIX係数: 3.69
- 自己資本比率: 65.3%
- 配当利回り: 4.77%
- 配当性向: 29.8%
- 連続増配回数: 4期
- 減配回数: 1回
- 増配率(1年/3年/5年/10年): 16.2%/79.2%/186.7%/377.8%
- 営業CFマージン: 28.90%
- DOE採用: なし
- 株主優待: あり
PERは7倍台と割安で、収益性もまずまず。
自己資本比率は65.3%と高く、財務の安定性も十分あります。
配当利回りは4.77%と高水準で、配当性向も30%未満と余裕があり、増配余力はしっかり。
過去10年で配当は約4倍に増えており、安定した増配基調が続いています。
DOE採用は「なし」ですが、株主優待も実施しており、長期保有の魅力は十分です。
累進配当方針と株主還元

出典:株式会社INPEX
INPEXは、2025年からの中期経営計画において、「年間90円を起点とする累進配当」を基本方針としています。
また、総還元性向は50%以上を目標に、自己株買いも機動的に行うことを明言しており、安定配当+自社株買いによる総合的な還元強化が特徴です。
近年の配当実績を見ても、2023年に86円、2024年には90円へと増配されており、累進配当の姿勢が実際の配当に反映されていることが確認できます。
株主優待制度

出典:株式会社INPEX
INPEXはQUOカードによる株主優待も実施しています。
対象は400株以上を1年以上保有している株主で、保有年数や株数に応じて贈呈額が変わります。
保有株数 | 1年以上保有 | 3年以上保有 |
---|---|---|
400〜799株 | 1,000円分 | 3,000円分 |
800株以上 | 2,000円分 | 5,000円分 |
※毎年12月末時点の保有者が対象で、贈呈は翌年3月下旬頃。
長期保有を前提とした優待設計となっており、配当と合わせてじっくりと恩恵を受けやすい仕組みです。
- 政府が黄金株を保有する戦略的エネルギー企業
- 自己資本比率65%超・配当性向30%未満と、財務健全性も高水準
- 「年間90円を起点とする累進配当」+総還元性向50%以上を明言
- 高配当+長期優待の恩恵が得られる、長期保有に向いた銘柄

配当方針がはっきりしていて、長く持つうえで安心感のある銘柄だと感じています。エネルギー価格の影響はあっても、還元姿勢がぶれないところに信頼感があります。


コムシスホールディングス(1721)


コムシスホールディングスは、NTT系の通信インフラ工事を中心に展開している準大手の建設企業です。
安定したインフラ需要を背景に、通信・電力・土木といった分野で堅実な業績を維持し、株主還元にも力を入れている企業として注目されています。
基本情報
- 株価: 3,293円
- 時価総額: 4,380億円
- PER: 12.50倍
- PBR: 1.0倍
- ROE: 8.17%
- MIX係数: 13.00
- 自己資本比率: 69.3%
- 配当利回り: 3.64%
- 配当性向: 45.4%
- 連続増配回数: 12期
- 減配回数: 0回
- 増配率(1年/3年/5年/10年): 9.5%/21.1%/53.3%/283.3%
- 営業CFマージン: 2.70%
- DOE採用: なし
- 株主優待: なし
PERは12倍台と標準的ながら、ROEは8%台とまずまず健闘。
自己資本比率は69.3%と高く、財務面の安定感があります。
配当利回りは3.6%台で、10年で約4倍の増配実績があり、配当姿勢は堅実。
DOE採用や優待はないものの、12期連続増配は魅力で、長期保有に向いた1銘柄だと思います。
累進配当方針と株主還元


出典:コムシスホールディングス株式会社
コムシスホールディングスは、設立以来21年連続で累進配当を継続中という、国内でも非常に貴重な実績を持つ企業です。
加えて、直近12年は連続増配も達成しており、2025年3月期には年間120円(中間・期末ともに60円)を予定しています。
さらに、総還元性向70%を目安に、自己株式の取得も継続的に実施しており、配当と合わせたトータルリターンの最大化を図っています。
- インフラ工事で安定的な業績を維持する建設企業
- 設立以来21年連続で累進配当を継続、12年連続で増配中
- 配当性向はやや高めだが、還元意欲が非常に強く、累進姿勢が明確
- 総還元性向70%を目標に、自己株買いと合わせた手厚い株主還元策を展開中



業績や配当の安定感はもちろん、21年累進という実績には圧倒されました。長く応援していきたい銘柄のひとつです。
日東富士製粉(2003)


三菱商事グループの製粉会社で、製粉業界では中堅に位置。
子会社を通じて、ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)などの外食FCにも注力しており、安定した業績が期待できる企業です。
基本情報
- 株価: 7,760円
- 時価総額: 728億円
- PER: 16.82倍
- PBR: 1.4倍
- ROE: 7.17%
- MIX係数: 24.05
- 自己資本比率: 78.4%
- 配当利回り: 3.61%
- 配当性向: 71.8%
- 連続増配回数: 9期
- 減配回数: 2回
- 増配率(1年/3年/5年/10年): 49.7%/71.3%/152.3%/6122.2%
- 営業CFマージン: 6.99%
- DOE採用: なし
- 株主優待: なし
PERはやや高めの16倍台ですが、ROEは7%台と合格ライン。
自己資本比率は78%超と極めて堅実で、財務面の安心感が際立ちます。
配当性向は70%超と高めですが、10年で配当が60倍以上に増えており、増配への強い姿勢がうかがえます。
DOEや優待はありませんが、着実な配当成長を評価したい銘柄です。
累進配当方針と株主還元


出典:日東富士製粉株式会社
中期経営計画「2026」の中で、累進配当の導入を明言しています。
利益成長に応じた安定的な増配を方針とし、総還元性向は60%以上への引き上げを目指すなど、株主還元強化の姿勢がうかがえます。
また、ROE8%以上の維持や財務の安定性にも重点を置いており、成長投資と還元のバランスを意識した内容になっています。
- 高い自己資本比率と安定したROEを維持しており、財務の健全性は非常に高い
- 累進配当方針を明記しており、増配の継続にも期待が持てる
- 総還元性向60%以上を掲げるなど、株主還元への意識が高い
- 配当利回り3.6%と、インカム目的でも魅力的な水準



業界的に派手さはありませんが、地に足のついた経営と株主志向が好印象。こういう企業はじっくり長く付き合いたいと思えます。
シイエム・シイ(2185)


マーケティング支援やマニュアル制作などを手がける企業で、主力は自動車業界向けの技術文書。
近年は自動車以外の分野や海外展開にも積極的に取り組んでおり、じわじわと成長の幅を広げています。
基本情報
- 株価: 1,416円
- 時価総額: 203億円
- PER: 10.10倍
- PBR: 0.9倍
- ROE: 10.50%
- MIX係数: 8.99
- 自己資本比率: 78.1%
- 配当利回り: 3.67%
- 配当性向: 28.1%
- 連続増配回数: 7期
- 減配回数: 0回
- 増配率(1年/3年/5年/10年): 15.8%/63.0%/120.0%/230.1%
- 営業CFマージン: 10.75%
- DOE採用: なし
- 株主優待: なし
PERは10倍前後と割安感があり、ROEも10%超と収益性がしっかりしています。
自己資本比率は78%と高く、財務基盤は安定。
配当性向は30%を下回り、配当利回り3.6%に対して余力も十分。
10期で約3倍に増配しており、連続増配も7期と、インカム重視の中長期投資に向いている銘柄です。
累進配当方針と株主還元


出典:株式会社シイエム・シイ
公式に累進配当とは明言していないものの、「継続的な増配」を方針として掲げています。
8期連続の増配を続けており、今回も中間配当の導入と年52円配当を予定。
この8年で配当額は約3.7倍となっており、持続的な配当成長に対する強い意識が伝わってきます。
- 自己資本比率78.1%で、財務は非常に堅実
- ROE10.5%と収益性も高く評価できる
- 8期連続の増配中で、配当額は過去8年で約3.7倍に成長
- 配当利回り約3.6%、配当性向は28%と余力を残した還元姿勢



堅実な成長と誠実な配当姿勢が好印象。派手さはないですが、じっくり保有したくなるタイプの銘柄だと感じています。


双日(2768)


総合商社の一角を占める企業で、ニチメンと日商岩井の統合により誕生。
自動車、資源、航空機などの分野に強みを持ち、幅広い事業を展開しています。
商社の中でも成長戦略に積極的で、時価総額2兆円の達成を目標に掲げています。
基本情報
- 株価: 3,493円
- 時価総額: 7,859億円
- PER: 6.40倍
- PBR: 0.8倍
- ROE: 11.69%
- MIX係数: 4.86
- 自己資本比率: 31.4%
- 配当利回り: 4.72%
- 配当性向: 29.2%
- 連続増配回数: 4期
- 減配回数: 2回
- 増配率(1年/3年/5年/10年): 11.1%/41.5%/76.5%/400.0%
- 営業CFマージン: -0.66%
- DOE採用: あり
- 株主優待: なし
PER6倍台・PBR0.8倍と割安で、ROEは11%超と高水準。
財務はやや慎重に見たいところですが、DOE採用かつ配当性向は30%未満と、還元余力はまずまず。
配当は10年で約4倍に増えており、長期での安定的な増配が目立ちます。
営業CFがマイナスの年もありますが、総合商社らしいダイナミックさと還元姿勢のバランスが魅力です。
累進配当方針と株主還元


出典:双日株式会社
双日は「株主資本DOE4.5%以上の累進的な配当方針」を明記しており、DOEベースでの安定配当を強く意識した方針を掲げています。
中期経営計画では、基礎営業キャッシュフローの3割程度を還元に充当し、自己株式取得も組み合わせたトータルリターンの最大化を図る内容です。
2025年3月期の配当予想は150円(前期比+15円)で、さらにその後も170円までの増配を見込んでいます。
株価を意識した自己株買いも実施しており、還元強化の姿勢が明確です。
- 配当方針はDOE4.5%を基準とした累進配当で、安定性が高い
- 商社らしい高ROE(11.44%)と割安なPER(6.4倍)が魅力
- 配当利回りも4%超と高水準で、還元姿勢は非常に積極的
- 自己株取得も行っており、総還元性向の高さが際立つ



商社株の中でも株主還元に力を入れており、累進配当をしっかり明記している点は安心材料。今後の成長にも期待しつつ、安定的なインカムを得たい人にぴったりの銘柄だと感じます。


日本ゼオン(4205)


合成ゴム・高機能樹脂の大手メーカーで、古河系の中核企業。
合成ラテックスや耐油性ゴムなどの分野で世界的に展開しており、業績の安定性が魅力です。
基本情報
- 株価: 1,413円
- 時価総額: 3,042億円
- PER: 11.15倍
- PBR: 0.8倍
- ROE: 7.28%
- MIX係数: 8.70
- 自己資本比率: 66.9%
- 配当利回り: 5.10%
- 配当性向: 30.6%
- 連続増配回数: 15期
- 減配回数: 0回
- 増配率(1年/3年/5年/10年): 25.0%/104.5%/136.8%/246.2%
- 営業CFマージン: 12.40%
- DOE採用: あり
- 株主優待: なし
PERは11倍台と標準的で、PBRは0.8倍とやや割安感あり。
ROEは7%台でまずまず、自己資本比率は66.9%と健全な水準です。
注目は配当利回り5.1%という高水準と、15期連続増配という実績。
DOE採用で安定的な還元姿勢もあり、キャッシュフローも良好なため、長期インカム投資の有力候補になりそうです。
累進配当方針と株主還元


出典:日本ゼオン株式会社
日本ゼオンは、新たな株主還元方針としてDOE(株主資本配当率)4%以上を採用し、継続的かつ安定的な株主還元を掲げています。
配当金の増額に加え、2026年度までに400億円規模の自己株式取得も計画しており、株主価値の向上を強く意識した方針がうかがえます。
- 自己資本比率66.9%・ROE8.90%と、バランスの取れた財務内容が特徴
- DOE4%以上の累進配当方針により、今後の配当安定性と成長性に期待が持てる
- 高い配当利回り(5.10%)と明確な株主還元方針は、インカムゲイン重視の投資家にとって魅力的
- 自己株式の取得も進めており、総還元姿勢の強さが際立つ



財務も還元姿勢も堅実で、安心して長期保有できそうな1社。DOE採用も心強いです。
アイカ工業(4206)


メラミン化粧板で国内トップシェアを誇る化学メーカー。
接着剤や樹脂事業も展開しており、アジアを中心に海外展開も強化中。
安定した収益基盤を持つ堅実な企業です。
基本情報
- 株価: 3,605円
- 時価総額: 2,437億円
- PER: 12.36倍
- PBR: 1.3倍
- ROE: 10.08%
- MIX係数: 16.19
- 自己資本比率: 60.2%
- 配当利回り: 3.77%
- 配当性向: 47.3%
- 連続増配回数: 16期
- 減配回数: 0回
- 増配率(1年/3年/5年/10年): 12.5%/16.7%/18.9%/193.0%
- 営業CFマージン: 10.76%
- DOE採用: なし
- 株主優待: なし
PERは12倍台と適正水準で、ROEは10%と収益性の高さが際立ちます。
自己資本比率は60%超と安定しており、財務面にも安心感があります。
連続増配は16期、減配ゼロと、配当の信頼性が非常に高い点が特徴。
派手さはないものの、堅実な増配と着実なキャッシュ創出力が魅力の安定成長株です。
累進配当方針と株主還元


出典:アイカ工業株式会社
2024年3月期までに15期連続増配・26期連続減配なしという驚異的な実績を持つ企業です。
累進配当方針も明記しており、2025年3月期もさらなる増配を計画(前期比+4円)しています。
- 配当方針は明確に累進配当を継続すると示されており、16期連続増配・26期連続非減配の実績が安心感がある
- ROEは10.08%と高水準で、自己資本比率60.2%と財務の健全性も良好です。
- 配当利回りは3.77%で、安定的な増配を前提としたインカム投資に向いています。
- 配当性向はやや高めながら、業績に裏打ちされた持続的な株主還元が魅力です。



累進配当の中でも長期実績が特に光る銘柄。配当に安心感があり、長く保有したくなります。
日華化学(4463)


界面活性剤の大手企業。
繊維加工薬剤やヘアケア・スタイリング製品、防錆剤、洗浄剤など幅広く展開しています。
独自技術を活かしたニッチ分野に強みがあり、安定した収益基盤が魅力です。
基本情報
- 株価: 1,284円
- 時価総額: 227億円
- PER: 7.82倍
- PBR: 0.6倍
- ROE: 8.64%
- MIX係数: 4.93
- 自己資本比率: 54.0%
- 配当利回り: 4.67%
- 配当性向: 29.9%
- 連続増配回数: 4期
- 減配回数: 3回
- 増配率(1年/3年/5年/10年): 62.5%/136.4%/225.0%/225.0%
- 営業CFマージン: 11.15%
- DOE採用: あり
- 株主優待: なし
PERは7倍台と割安で、PBRも0.6倍とかなりの低水準。
ROEは8%台とまずまずで、営業CFマージンも2桁と優秀な水準です。
過去の減配はあるものの、ここ数年は連続増配が続いており、10年間で配当は3倍以上に。
DOE採用により配当の安定性も高く、長期のインカム投資先として魅力があります。
累進配当方針と株主還元


出典:日華化学株式会社
2025年12月期の配当予想は前年より8円増の60円と、5期連続増配を見込んでいます。
また、2024年に配当方針を「安定配当+累進配当」へ変更し、DOE3.0%を中期的な目標としたことが大きなポイントです。
従来の「安定配当」に加え、今後は業績に応じた増配も視野に入れることで、より株主還元に積極的な姿勢がうかがえます。
株主優待制度


出典:日華化学株式会社
毎年12月末時点で100株以上保有している株主に対して、自社グループのヘアケア・スタイリング製品等を贈呈しています。
保有株数 | 優待内容 |
---|---|
500株以上~1,000株未満 | 5,000円相当の製品から自由選択 |
1,000株以上~3,000株未満 | 7,000円相当 |
3,000株以上 | 12,000円相当 |
QUOカードなどの金券ではなく、自社製品がもらえるタイプの優待で、実用性の高さとメーカー色が強く出たユニークな内容です。
特に美容・日用品に関心がある方にはうれしいポイント。
- DOE3%を目指す累進配当方針に転換し、5期連続増配を継続中
- ROE8.64%・PER7.82倍と、利益効率と割安感のバランスが良い
- 配当利回りは4.5以上と高水準。還元姿勢の積極性がうかがえる
- 自社製品がもらえる株主優待も魅力で、長期保有インセンティブがある



累進配当方針への変更は大きな前進。優待の内容もユニークで、楽しみながら保有できる銘柄だと感じました。
小野薬品工業(4528)


製薬業界の中でも研究開発力に強みを持つ企業。
がん免疫薬「オプジーボ」の拡大を中心に、収益力のあるパイプラインを展開しています。
自社開発品の比率も高く、医薬品業界の中でも競争力のあるポジションです。
基本情報
- 株価: 1,544円
- 時価総額: 7,697億円
- PER: 10.82倍
- PBR: 0.9倍
- ROE: 6.35%
- MIX係数: 10.06
- 自己資本比率: 73.5%
- 配当利回り: 5.18%
- 配当性向: 75.1%
- 連続増配回数: 0期
- 減配回数: 0回
- 増配率(1年/3年/5年/10年): 0.0%/42.9%/77.8%/122.2%
- 営業CFマージン: 16.94%
- DOE採用: なし
- 株主優待: なし
PERは10倍台とやや割安、PBRも0.9倍と落ち着いた水準。
自己資本比率は73.5%と高く、営業キャッシュフローマージンも16%超と優秀です。
配当性向は75%と高めで、ここ1年は増配なしですが、過去10年で2倍以上の増配実績があります。
連続増配実績はないものの、減配もなく、インカム狙いでは今後の配当方針に注目したい銘柄です。
累進配当方針と株主還元


出典:小野薬品工業株式会社
利益配分方針として、「毎年の年間配当金を維持または増額する累進的な方針」を明記しています。
業績や各種指標を踏まえて、配当性向40%を目安に安定的かつ継続的な配当を行うとしています。
直近の配当推移を見ると、2018年以降は一貫して配当維持または増配を継続しており、株主還元に対する積極的な姿勢がうかがえます。
- 財務面は自己資本比率73.5%と非常に安定しており、ROEも6.35%と無難な水準です。
- 累進配当方針を明言しており、配当維持・増額の安定性が期待できる
- 配当利回り5%以上と高水準で、インカム重視の投資家にとって魅力的
- 配当性向は75%と高めであり、今後の増配にはやや慎重な姿勢が求められるかもしれません。



大型の医薬品銘柄の中でも、ここまで高ROEと安定配当を両立している企業は少ない印象。安心して長く保有できそうです。
ブリヂストン(5108)


タイヤ世界最大手の総合ゴムメーカー。
近年はデータ活用やソリューション事業に注力しており、海外拠点の拡充も進めています。
基本情報
- 株価: 6,104円
- 時価総額: 4兆3,564億円
- PER: 16.47倍
- PBR: 1.2倍
- ROE: 8.04%
- MIX係数: 19.11
- 自己資本比率: 65.2%
- 配当利回り: 3.77%
- 配当性向: 41.3%
- 連続増配回数: 4期
- 減配回数: 1回
- 増配率(1年/3年/5年/10年): 5.0%/23.5%/31.3%/110.0%
- 営業CFマージン: 12.39%
- DOE採用: なし
- 株主優待: なし
PERは16倍台とやや高めですが、ROEは8%超と水準を維持。
自己資本比率も65%超と安定感があり、営業CFマージンも高めで収益構造は良好です。
配当性向は40%強で無理のない水準、過去10年で配当は約2倍に増えています。
大手らしい堅実な還元姿勢と成長余地を併せ持ち、安定志向の投資先として注目されます。
累進配当方針と株主還元


出典:株式会社ブリヂストン
配当基本方針を連結配当性向40%から50%へ引き上げ、株主還元の強化を打ち出しています。
2024年12月期は210円(+10円増配)、2025年は230円以上と、増配の継続も明言されています。
業績や財務、キャッシュ・フローなどを踏まえて、「安定的かつ継続的な配当の増額」を目指すと明記しており、累進配当的な姿勢が見られます。
- 配当性向50%を目安とする新方針は、より積極的な株主還元姿勢を示している
- 一度減配を挟みつつも、全体としては配当を引き上げており、累進的な配当政策に近い動きが見られます。
- 自己資本比率65.2%と、グローバル企業としても財務の安定感が際立つ
- 配当利回りは3%後半と高水準で、長期保有を考えるうえでも安心感がある



タイヤという成熟事業にありながら、配当戦略は非常に前向き。安定配当に加え、今後の成長投資にも期待したい企業です。
ニチアス(5393)


プラント向け工事を主力とし、断熱材や耐熱素材に強みを持つ企業です。
自動車部品や高機能素材など多角的な展開で、安定した業績を維持しています。
基本情報
- 株価: 4,860円
- 時価総額: 3,296億円
- PER: 12.02倍
- PBR: 1.4倍
- ROE: 15.45%
- MIX係数: 17.43
- 自己資本比率: 74.5%
- 配当利回り: 3.13%
- 配当性向: 22.0%
- 連続増配回数: 16期
- 減配回数: 0回
- 増配率(1年/3年/5年/10年): 10.2%/25.6%/42.1%/217.6%
- 営業CFマージン: 12.18%
- DOE採用: あり
- 株主優待: なし
PERは12倍台と適正圏内で、ROEは15%超と非常に高く、収益力の強さが際立ちます。
自己資本比率も74.5%と高く、営業CFマージンも12%台と安定したキャッシュ創出力があります。
配当利回りは3%台ながら、配当性向は22%とまだ低く、今後の増配余地も十分。
16期連続増配・減配ゼロと、累進配当方針をしっかりと実践している優良企業です。
累進配当方針と株主還元


出典:ニチアス株式会社
ニチアスは「DOE3.5%以上」を基準とした累進配当を基本方針としています。
安定的な配当を継続することに加え、自己株式取得も積極的に実施しており、株主還元の充実に対する意識が高い企業です。
- 累進配当方針(DOE3.5%以上)を掲げ、安定的かつ継続的な配当を重視
- ROE15.45%と収益性が高く、自己資本比率も74.5%と健全性も十分
- 配当利回りは2%台ながら、安定した増配実績と株主還元意識が魅力
- 自己株式取得も行っており、資本効率の改善にも積極的



配当利回りは控えめですが、累進配当方針や自己株買いなど還元姿勢の強さに惹かれます。じっくり長く持ちたいタイプの銘柄です。
横河ブリッジホールディングス(5911)


橋梁で首位級。
大型工事案件に特化し、システム建築やインフラ整備など幅広い事業を展開。
景気変動の影響を受けにくい安定した収益モデルを築いています。
基本情報
- 株価: 2,525円
- 時価総額: 1,090億円
- PER: 12.46倍
- PBR: 0.8倍
- ROE: 10.15%
- MIX係数: 9.72
- 自己資本比率: 59.7%
- 配当利回り: 4.75%
- 配当性向: 34.7%
- 連続増配回数: 8期
- 減配回数: 0回
- 増配率(1年/3年/5年/10年): 15.8%/46.7%/197.3%/685.7%
- 営業CFマージン: -1.36%
- DOE採用: あり
- 株主優待: あり
PERは12倍台、PBRは0.8倍と割安感があり、ROEは10%超と収益性も良好。
自己資本比率は約60%と安定感があり、配当利回りは4.75%と高水準。
配当性向は35%未満と無理がなく、10年で約7倍の増配実績は魅力的。
営業CFがややマイナスな点は注意が必要ですが、DOE採用・優待あり・減配なしという点からも、中長期のインカム投資として有力な選択肢の一つです。
累進配当方針と株主還元


出典:株式会社横河ブリッジホールディングス
横河ブリッジホールディングスは、「累進配当の継続」を基本方針として掲げており、2025年度からの第7次中期経営計画においてもその姿勢を明確にしています。
新たにDOE(自己資本配当率)3.5%以上の維持と、増配基調の継続を目標としており、機動的な自己株取得も含めた株主還元を進めていく方針です。
実際の配当も右肩上がりが続いており、2024年度にはついに1株あたり110円に到達。
長期的にみても、配当成長と株主還元に対する強いコミットメントが感じられる企業です。
株主優待制度


出典:株式会社横河ブリッジホールディングス
毎年3月末時点で1,000株以上保有する株主を対象に、クオカードの贈呈があります。
長期保有者には追加贈呈があるのも特徴です。
保有株数 | 保有年数 | 優待内容 |
---|---|---|
1,000株以上 | 5年未満 | クオカード1,000円分 |
1,000株以上 | 5年以上 | クオカード2,000円分(1,000円分を上乗せ) |
長期保有を前提とした優待制度であり、インカム目的でじっくり投資したい人向きです。
- 自己資本比率59.7%・ROE10.15%と、バランスの取れた財務・収益体質
- 累進配当を基本方針とし、安定した増配実績がある
- 配当利回り4.75%と高水準で、還元姿勢は継続的。
- 株主優待制度はクオカード。長期保有者に配慮されており、じっくり保有したい銘柄。



地味ながら堅実な企業で、累進配当と優待の両面から長期投資に向いている印象です。ポートフォリオのインカム枠に加えたい銘柄です。
トヨタ自動車(7203)


世界を代表する総合自動車メーカー。
ハイブリッド車などの環境対応車に強みを持ち、EV・次世代モビリティへの投資を加速中。
国内外で高いブランド力と技術力を誇ります。
基本情報
- 株価: 2,624円
- 時価総額: 41兆4,382億円
- PER: 11.04倍
- PBR: 0.9倍
- ROE: 13.59%
- MIX係数: 10.49
- 自己資本比率: 38.4%
- 配当利回り: 3.62%
- 配当性向: 25.0%
- 連続増配回数: 2期
- 減配回数: 1回
- 増配率(1年/3年/5年/10年): 20.0%/▲39.2%/104.5%/125.0%
- 営業CFマージン: 7.70%
- DOE採用: なし
- 株主優待: なし
PERは11倍前後と適正で、PBRも0.9倍とバリュエーション面に過熱感はありません。
ROEは13%超と優秀な収益性を誇り、営業CFも安定しています。
配当利回りは3%台、配当性向も25%と控えめで、今後の増配余力は十分。
一時減配を挟んでいますが、長期で見れば配当は2倍以上に増えており、グローバルメーカーとしての安定感が光る内容です。
累進配当方針と株主還元


出典:トヨタ自動車株式会社
トヨタは、安定的・継続的な増配の実施を明言しており、2024年には年間75円(前期比+15円)と大幅増配を実施。
累進配当の考え方を実質的に取り入れており、業績の拡大に応じた株主還元を基本方針としています。
また、自己株式取得も定期的に実施しており、総還元性向の高さも特徴です。
株主優待制度


出典:トヨタ自動車株式会社
毎年3月末時点で100株以上保有する株主を対象に、TOYOTA Walletのチャージ残高が進呈されます。
継続保有年数に応じて金額が増えるのが特徴です。
保有株数 | 保有年数 | 優待内容 |
---|---|---|
100株以上 | 1年未満 | TOYOTA Wallet 500円分 |
100株以上 | 1年以上3年未満 | TOYOTA Wallet 1,000円分 |
100株以上 | 3年以上 | TOYOTA Wallet 3,000円分 |
1,000株以上 | 5年以上 | TOYOTA Wallet 30,000円分(抽選制) |
長期保有を優遇する設計であり、トヨタファンやインカム目的の投資家に嬉しい内容です。
また、WEC観戦チケットやグッズの抽選など、自動車好きにとっても魅力的な特典が用意されています。
- ROE13%超と収益力が高く、PER11倍前後と割安感もある水準
- 過去5年で配当は着実に増加し、今後も安定した増配が期待される
- 還元姿勢が明確で、株主優待も継続保有を後押しする設計
- グローバル競争力と高収益体質を備えた、安心して保有できる銘柄のひとつ



業績・配当・ブランド力の三拍子が揃っており、長期保有を前提にポートフォリオに入れておきたい銘柄です。
グローブライド(7990)


釣り具で世界首位級のシェアを持ち、「ダイワ」ブランドで国内外に展開。
ゴルフ・テニス用品や自転車部品にも事業を広げ、多角的な製品ラインアップが特徴。
基本情報
- 株価: 1,936円
- 時価総額: 465億円
- PER: 9.27倍
- PBR: 0.7倍
- ROE: 8.30%
- MIX係数: 6.77
- 自己資本比率: 53.5%
- 配当利回り: 4.65%
- 配当性向: 38.4%
- 連続増配回数: 13期
- 減配回数: 1回
- 増配率(1年/3年/5年/10年): 14.3%/60.0%/146.2%/300.0%
- 営業CFマージン: 1.65%
- DOE採用: なし
- 株主優待: あり
PER9倍台・PBR0.7倍と割安感があり、ROEも8%超と収益性はしっかり。
自己資本比率は50%を超えており、財務面も比較的安定しています。
注目すべきは13期連続増配・10年で配当3倍という安定的な株主還元。
配当利回り4.6%に対して配当性向は約38%と無理のない水準で、優待制度も含めて中長期のインカム投資に向いた銘柄です。
累進配当方針と株主還元


出典:グローブライド株式会社
グローブライド株式会社は、配当性向30%以上を目安に安定的かつ継続的な増配を掲げています。
2025年3月期も前期比10円の増配を計画しており、実質14期連続の増配です。
また、ROE12%以上を資本政策の目安としており、利益成長と資本効率の両立を図る姿勢がうかがえます。
株主優待制度


出典:グローブライド株式会社
毎年3月末時点で100株以上を保有する株主を対象に、オリジナルQUOカード(釣りキチ三平デザイン)が贈呈されます。
保有年数と株数に応じて優待額が変動する、長期保有インセンティブ型の優待制度です。
保有株式数 | 3年未満 | 3年以上 |
---|---|---|
100株以上〜999株 | 1,000円分 | 2,000円分 |
1,000株以上〜1,999株 | 2,000円分 | 3,000円分 |
2,000株以上 | 3,000円分 | 5,000円分 |
- ROE8.30%・自己資本比率53.5%と、健全な財務と高い収益性が魅力。
- 配当性向30%以上を目標に連続増配を継続中。実質14期連続増配を実施。
- 配当利回りは4%台と高水準。安定したインカムを重視する投資家にも適しています。
- 長期保有に応じて増額される優待制度も用意されており、継続保有にメリットがあります。



収益性と優待の魅力を両立した銘柄で、配当+優待で安定的なリターンを狙いたい人に向いていると感じました。
三菱商事(8058)


三菱グループの中核を担う総合商社で、エネルギー・金属・機械・化学・食品など幅広い分野で事業を展開。
安定した収益基盤とグローバルな事業展開が強みです。
基本情報
- 株価: 2,927円
- 時価総額: 11兆7,735億円
- PER: 16.63倍
- PBR: 1.2倍
- ROE: 10.33%
- MIX係数: 20.62
- 自己資本比率: 43.6%
- 配当利回り: 3.76%
- 配当性向: 42.2%
- 連続増配回数: 9期
- 減配回数: 2回
- 増配率(1年/3年/5年/10年): 42.9%/100.0%/127.3%/328.6%
- 営業CFマージン: 8.91%
- DOE採用: なし
- 株主優待: なし
PER16倍台とやや高めですが、ROEは10%を超えており、高い収益力がうかがえます。
自己資本比率も約44%とバランスが取れており、営業CFマージンも9%近くで安定しています。
連続増配は9期に達し、10年で約4倍の増配実績。
配当性向も42%程度とバランスがよく、今後も堅調な配当継続が期待できる総合商社の代表格です。
累進配当方針と株主還元


出典:三菱商事株式会社
三菱商事は利益成長に応じて増配を行う累進配当を基本方針としています。
加えて、30〜40%程度の総還元性向を目安とし、自社株買いも財務状況に応じて機動的に実施。
安定成長と株主還元のバランスが取れた方針が示されています。
- ROE10.33%、PER16.63倍と、商社の中でも安定感のある収益力を持つ銘柄です。
- 累進配当方針を掲げており、減配リスクが低く、配当の安定性が魅力。
- 自社株買いも活用した総還元性向42.2%で、株主に積極的に還元。
- 配当利回り3.5%以上と水準も悪くなく、長期的な資産形成にも適しています。



景気変動に左右されにくい分散された収益構造と、還元姿勢の明確さが魅力。長期視点で安心して保有できる銘柄だと感じました。


稲畑産業(8098)


稲畑産業は、化学品を中心とした専門商社として120年以上の歴史を持ちます。
電子材料、情報通信、合成樹脂、生活産業分野など、幅広い分野でグローバルに事業を展開。
特にアジア圏に強みを持ち、海外売上比率も高く、今後も新興国需要の取り込みによる成長が期待される企業です。
基本情報
- 株価: 3,140円
- 時価総額: 1,718億円
- PER: 8.76倍
- PBR: 0.8倍
- ROE: 9.71%
- MIX係数: 7.18
- 自己資本比率: 47.1%
- 配当利回り: 4.08%
- 配当性向: 34.4%
- 連続増配回数: 7期
- 減配回数: 1回
- 増配率(1年/3年/5年/10年): 4.2%/13.6%/135.8%/278.8%
- 営業CFマージン: 2.38%
- DOE採用: なし
- 株主優待: あり
PERは9倍弱、PBRは0.8倍とバリュエーション面では割安感があり、ROEは約10%と収益性もまずまず。
自己資本比率は47%と安定的で、配当利回り4%超に対して配当性向は3割台と余裕があります。
10年で約3倍の増配を実現し、株主優待も併せて還元姿勢は強め。
営業CFマージンはやや低めですが、配当継続の実績からインカム狙いの中長期保有に適した銘柄です。
累進配当方針と株主還元


出典:稲畑産業株式会社
「NC2026」中期経営計画のもと、一株当たり配当額の前年度実績を下限とし、減配は行わず継続的な増配を基本方針としています(累進配当)。
さらに、総還元性向の目安は概ね50%程度としており、財務健全性と成長投資のバランスを取りつつ、株主還元にも積極的な姿勢です。
株主優待制度


出典:稲畑産業株式会社
稲畑産業では、オリジナルQUOカードの贈呈を実施しています。
保有株数と保有期間に応じて内容が変わる点が特徴で、長期保有インセンティブも明確です。
保有株式数 | 継続保有期間 | 優待内容 |
---|---|---|
100株以上〜200株未満 | 6ヶ月未満 | 500円分 |
100株以上〜200株未満 | 6ヶ月以上3年未満 | 1,000円分 |
100株以上〜200株未満 | 3年以上 | 2,000円分 |
200株以上〜300株未満 | 3年以上 | 3,000円分 |
300株以上 | 3年以上 | 5,000円分 |
長期保有を前提とした構成になっており、インカム狙いの投資家に向いている優待制度です。
- 累進配当と総還元性向50%を掲げた積極的な還元姿勢
- ROE約10%、PER8倍台と収益性・割安感のバランスが良好
- 配当利回り4%超でインカム狙いにも適している
- 長期保有優遇のQUOカード優待も魅力



安定成長と還元強化のバランスが取れた好印象の銘柄です。長期保有を前提に、じっくりと配当と優待を受け取りたい方にぴったりだと感じました。
澁澤倉庫(9304)


倉庫業を中心に、総合物流や国際輸送、資産活用型の不動産事業なども手掛ける老舗企業です。
近年はアジア地域への展開にも力を入れており、安定した収益基盤を背景に着実に業容を拡大しています。
基本情報
- 株価: 3,790円
- 時価総額: 577億円
- PER: 10.70倍
- PBR: 0.8倍
- ROE: 7.78%
- MIX係数: 9.09
- 自己資本比率: 54.8%
- 配当利回り: 4.75%
- 配当性向: 41.5%
- 連続増配回数: 7期
- 減配回数: 1回
- 増配率(1年/3年/5年/10年): 40.0%/100.0%/180.0%/273.3%
- 営業CFマージン: 8.08%
- DOE採用: なし
- 株主優待: なし
PERは10倍台、PBRは0.8倍とバリュエーションは控えめ。
ROEは8%弱ながら、自己資本比率は54.8%と財務は堅実です。
配当利回りは4.75%と高めで、10年で2.7倍の増配実績も心強い材料。
営業キャッシュフローも安定しており、配当性向も約40%で無理のない水準。
物流や不動産活用を軸に、着実に株主還元を重ねる堅実タイプの銘柄です。
累進配当方針と株主還元


出典:澁澤倉庫株式会社
澁澤倉庫は、ROE10%以上の実現を2030年度までの目標とし、現行の中期経営計画(2024〜2026年度)ではROE7%以上の達成と、財務の健全性を前提とした積極的な成長投資・株主還元を掲げています。
配当については、年間100円を下限とする累進的配当方針を導入。
業績や将来の見通しをふまえつつ、配当性向40%以上を目安に安定的な還元を目指しています。
あわせて、自己株式の取得や政策保有株の縮減にも取り組み、総還元の強化を推進。中期計画期間中には、毎年8億円以上の自己株取得、政策保有株の保有比率を20%以下とする方針も明示されています。
安定配当・自己株買い・保有資産の最適化を通じて、株主価値の向上にコミットする姿勢が明確に打ち出されています。
- 配当方針は累進配当を明言し、2025年も増配予定と還元姿勢は明確
- ROEは控えめながら、自己資本比率の高さが安定性を支える
- 配当利回りは4.75%で、保守的な投資にも向いた水準
- 着実な成長とバランスの取れた株主還元策が魅力



倉庫・物流の安定収益に加えて、累進配当の方針は中長期で魅力的です。
派手さはないですが、堅実に配当を伸ばす姿勢が好印象です。
静岡ガス(9543)


静岡県を中心に都市ガス事業を展開する地域密着型のエネルギー企業。
近年は産業用ガスの拡販や、宅内見守りサービスなどの周辺事業にも注力しており、エネルギー以外の分野にもサービスを広げています。
基本情報
- 株価: 1,079円
- 時価総額: 822億円
- PER: 10.05倍
- PBR: 0.7倍
- ROE: 7.78%
- MIX係数: 6.83
- 自己資本比率: 69.4%
- 配当利回り: 3.80%
- 配当性向: 34.2%
- 連続増配回数: 10期
- 減配回数: 0回
- 増配率(1年/3年/5年/10年): 60.0%/122.2%/150.0%/300.0%
- 営業CFマージン: 5.43%
- DOE採用: なし
- 株主優待: あり
PER10倍、PBR0.7倍とバリュエーションには割安感があり、ROEは約8%と堅実な収益性。
自己資本比率は約70%と高く、財務体質も安定しています。
配当利回りは3.8%で、10期連続増配&減配なしの実績が魅力。
長期で見ると10年で3倍の増配を達成しており、今後も安定した配当成長が期待できそうです。
株主優待もあるため、インカム+優待の両取りができる中堅インフラ銘柄として注目されます。
累進配当方針と株主還元


出典:静岡ガス株式会社
静岡ガス株式会社は、累進配当を基本方針とし、業績やDOE(株主資本配当率)を考慮した柔軟な還元を実施しています。
2025年3月期は1円増配の年間41円(予想)とし、配当性向も38.2%を見込んでいます。
株主優待制度


出典:静岡ガス株式会社
静岡県の特産品や自社ポイント「エネリアmottoポイント」と交換可能な優待制度があります。
保有株数と保有年数に応じて優待額が増えるのが特徴です。
保有株式数 | 継続保有期間3年未満 | 継続保有期間3年以上 |
---|---|---|
300株以上 | 1,000円相当 | 1,500円相当 |
1,000株以上 | 5,000円相当 | 7,000円相当 |
2,000株以上 | 8,000円相当 | 10,000円相当 |
3,000株以上 | 10,000円相当 | 15,000円相当 |
優待品は地域特化型で、地元密着の魅力が感じられます。
長期保有で優待額が大きくなるため、じっくり構える投資スタイルに合っています。
- 自己資本比率は69%と高水準で、安定感のある財務体質
- 累進配当方針を掲げ、継続的な配当増額が期待できる
- 地域特産品やポイントに交換できる優待制度がユニーク
- 高配当・安定志向のインカム投資に適した銘柄



地元密着の堅実な経営と累進配当方針に好感を持てます。優待の地域色が強く、保有の楽しみも感じられる銘柄です。
累進配当銘柄に投資する際のリスクと注意点


配当を減らさず、継続的に増やすことを基本方針とする「累進配当銘柄」は、安定したインカムを求める投資家にとって魅力的な存在です。
しかし、どんな投資にもリスクはつきもの。累進配当銘柄にも特有の注意点があります。
長期保有を前提にするなら、事前にこれらのリスクを理解しておくことが大切です。
業績悪化時でも無理に増配するリスク
累進配当方針は、一時的な業績の悪化でも「配当を維持・増加」させることを優先します。
この姿勢が裏目に出ると、企業の財務健全性を損なう可能性があります。
増配が保証されているわけではない
累進配当はあくまで「経営方針」です。
想定外の事態が起これば、増配が止まったり方針が撤回されたりするリスクもあります。
過剰な期待による株価の割高リスク
人気化した累進配当銘柄は、業績に見合わない水準まで株価が上昇することも。
その結果、投資時期によっては下落リスクを抱えることになります。
今後の配当成長率が鈍化する可能性
すでに増配を長く続けてきた企業では、今後の増配余地が限られてくる場合も。
「過去の実績」だけで将来を期待しすぎないことが重要です。
利回りが十分でないケースもある
累進配当銘柄の中には、配当額は増えていても利回りが相対的に低い企業も存在します。
「増配」と「利回り」のバランスもあわせて確認しましょう。



累進配当銘柄は安心感がありますが、「安心しすぎ」には注意ですね。
増配実績に加えて、財務の健全性や利回りもきちんとチェックして投資したいと感じました。
まとめ
累進配当銘柄は、減配リスクを抑えながら安定したインカムを得られる点で、特に長期投資を志向する方にとって心強い存在です。
実際に累進配当方針を明示している企業の多くは、財務の健全性や収益性、株主還元への姿勢も非常に高いレベルで安定しているのが特徴です。
また、配当だけでなく優待制度や自社株買いなどの還元策も充実している企業が多く、トータルリターンの観点から見ても魅力的な投資先となり得ます。
一方で、業績に見合わない無理な増配や、期待先行による株価の過熱には注意が必要です。
累進配当だからといって「絶対安心」と思い込まず、財務指標や配当余力をしっかり確認しながら銘柄を選ぶ姿勢が大切です。
本記事でご紹介した企業は、いずれも「長く持っていたい」と思えるような安定感と還元姿勢を持った銘柄ばかりです。
ぜひご自身のポートフォリオに合う企業を見つけて、じっくりと育てる投資を楽しんでいただければと思います。
当ブログは、投資の勧誘を目的としたものではありません。
投資に際しては、ご自身の判断と責任で行っていただくようお願い申し上げます。



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