「オルカン(全世界株式)」と「S&P500(米国株式)」、どっちを選べばいいのか迷ったことはありませんか?
オルカンは世界中に分散投資できる安心感があり、S&P500は米国の成長にしっかり乗れる魅力があります。
どちらも優れた投資先ですが、「両方持った方がいいのか?それともオルカン1本で十分なのか?」と悩む方も多いはず。
そこで今回は、オルカンとS&P500の違いや、それぞれのメリット・デメリットをわかりやすく解説します。
さらに、「どう組み合わせるといいのか?」 についても考えてみました。
自分に合った投資スタイルを見つけるヒントになれば嬉しいです!
オルカンとS&P500の基本情報

まずは、それぞれの特徴を簡単に整理してみましょう。
オルカン(全世界株式)とは?
オルカン(オール・カントリー・ワールド・インデックス、略して全世界株式)は、世界中の株式市場に幅広く投資できる投資信託です。
✅ 投資対象:世界の株式市場(先進国・新興国を含む)
✅ 地域分散:米国、日本、欧州、新興国など、さまざまな地域に投資
✅ 米国比率:約60%(※市場動向により変動)
✅ リスクとリターン:世界全体の成長を取り込み、安定感がある
メリット | デメリット |
---|---|
地域分散が効いている → 1つの国に依存しないため、特定の国の景気低迷による影響を抑えやすい 世界の成長をまるごと享受できる → どの国が成長しても、その恩恵を受けやすい 1本で完結するシンプルさ → 追加の調整が不要で、初心者にも扱いやすい | 米国の成長をフルに享受できない → 米国市場の比率は高いが、S&P500ほど集中していない リターンが米国市場よりやや劣る可能性 → 過去のデータでは、米国株(S&P500)の方が高いリターンを出している 新興国の影響を受ける → 新興国の比率は低いものの、不安定な市場の影響を受けることがある |
S&P500(米国株式)とは?
S&P500は、米国を代表する500社(Apple、Microsoft、Amazonなど)に投資する指数です。
米国市場の成長をダイレクトに享受できるのが特徴です。
✅ 投資対象:米国の大型企業500社
✅ 地域分散:なし(米国に100%集中)
✅ 米国比率:100%(米国市場のみ)
✅ リスクとリターン:長期的に高い成長が期待できるが、米国経済に依存
メリット | デメリット |
---|---|
米国市場の成長を最大限に取り込める → 過去30年間、世界で最も高いリターンを出してきた 企業の成長性が高い → GAFAM(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)など、世界的な企業が多い 強い経済基盤 → 世界経済の中心である米国は、イノベーションや資本市場の規模が大きい | 米国に100%依存 → 米国市場が低迷すると、ポートフォリオ全体が大きく影響を受ける 地域分散がない → 米国以外の成長(新興国・欧州・日本など)を取り込めない バブル崩壊のリスク → 米国株は近年の成長が著しく、今後のリターンが鈍化する可能性もある |
項目 | オルカン(全世界株式) | S&P500(米国株式) |
---|---|---|
投資対象 | 世界中の株式市場 | 米国の大型500社 |
地域分散 | 先進国+新興国 | 米国のみ |
米国比率 | 約60% | 100% |
成長性 | 世界全体の成長を享受 | 米国市場の高成長を享受 |
リスク分散 | 多地域分散 | 米国依存 |
リターン(過去実績) | S&P500より低い | 過去30年で高リターン |
管理のしやすさ | 1本で地域分散が完結 | 組み合わせが必要 | 分散を考えるなら他の投資先と
- オルカンは「世界全体に分散投資」したい人向け
→ 1本で先進国・新興国に幅広く投資でき、地域分散が効いているのが強み - S&P500は「米国の成長に賭けたい」人向け
→ 米国のトップ企業に集中投資し、過去の高リターンを活かせるのが魅力 - どちらを選ぶかは、投資の目的次第
→ 「安定感を重視」するならオルカン、「リターンを狙う」ならS&P500 - 両方持つことで、米国の成長を活かしつつ、地域分散のバランスを取ることも可能
→ オルカン+S&P500の比率を調整することで、自分に合ったポートフォリオを作れる

どちらも魅力的な選択肢ですが、投資の目的や考え方によって答えが変わるのが面白いところ。自分がどのスタンスで投資したいのか、じっくり考えるのもまた楽しいですね!
オルカンとS&P500の両方持つメリット


分散効果が高まる
たとえば、オルカン(全世界株式)は米国60%、日本7%、欧州15%、新興国10%前後といった構成です。
ここにS&P500を加えると、米国の比率が増えつつも、欧州・日本・新興国といった地域もポートフォリオに残るため、特定の地域に偏りすぎない構成が作れます。
地域リスクの軽減につながる
S&P500だけだと、たとえば2022年の米国株の下落時のように、市場全体が崩れると影響を受けやすくなります。
一方、オルカンはその年の中で米国以外の国が下落をやや抑えた場面もあり、複数地域に分散することで、値動きのブレを緩和する可能性があります。
米国比率を自分で調整できる
たとえば、ポートフォリオを以下のようにすると…
- オルカン70% × S&P500 30% → 米国株の比率は約72%
- オルカン50% × S&P500 50% → 米国株の比率は約80%
- オルカン100%のみ → 米国比率は約60%のまま
このように、「米国の成長をより多く取り込みたい」という意図に合わせて柔軟に設計できるのがメリットです。
どちらの成長も取り込める柔軟さ
たとえば、過去10年のS&P500の年平均リターンは約12%前後と非常に高いですが、
将来にわたってもこのリターンが維持されるとは限りません。
一方で、新興国や欧州の復活による恩恵も期待したい人にとっては、オルカンを含めることでその可能性も拾える。
「どっちが勝ってもいい」ポートフォリオを作れるのが、両方持つ強みです。
米国比率によるパフォーマンスの違い
「米国の比率をどれくらいにするか」で、実際にどのくらいリターンに差が出るのか気になりますよね。
ここでは、オルカンとS&P500の配分を変えてシミュレーションした結果を見てみます。
- 投資元本:100万円
- 運用期間:5年間(複利運用)
- 年平均リターン(仮定)
- オルカン:年+5%
- S&P500 :年+6.5%
① オルカン100%の場合(米国比率:約60%)
- オルカン:100万円 → 年+5%
年数 | 運用額 |
---|---|
1年目 | ¥1,050,000 |
2年目 | ¥1,102,500 |
3年目 | ¥1,157,625 |
4年目 | ¥1,215,506 |
5年目 | ¥1,276,282 |
→ +276,282円(+27.6%)の増加
オルカン70% + S&P500 30%(米国比率:約72%)
- オルカン:70万円 → 年+5%
- S&P500:30万円 → 年+6.5%
年数 | オルカン残高 | S&P500残高 | 合計 |
---|---|---|---|
1年目 | ¥735,000 | ¥319,500 | ¥1,054,500 |
2年目 | ¥771,750 | ¥340,267 | ¥1,112,017 |
3年目 | ¥810,338 | ¥362,352 | ¥1,172,690 |
4年目 | ¥850,854 | ¥385,902 | ¥1,236,757 |
5年目 | ¥893,397 | ¥411,025 | ¥1,304,422 |
→ +304,422円(+30.4%)の増加
③ オルカン30% + S&P500 70%(米国比率:約82%)
- オルカン:30万円 → 年+5%
- S&P500:70万円 → 年+6.5%
年数 | オルカン残高 | S&P500残高 | 合計 |
---|---|---|---|
1年目 | ¥315,000 | ¥745,500 | ¥1,060,500 |
2年目 | ¥330,750 | ¥794,458 | ¥1,125,208 |
3年目 | ¥347,288 | ¥846,038 | ¥1,193,326 |
4年目 | ¥364,652 | ¥900,431 | ¥1,265,083 |
5年目 | ¥382,884 | ¥957,957 | ¥1,340,841 |
→ +340,841円(+34.1%)の増加


- 米国比率を上げると、リターンはやや大きくなる傾向がある
- ただし、S&P500に偏ることで米国の経済状況に影響を受けやすくなるリスクも高まる
- オルカンを中心にしつつ、S&P500を補完的に加えることで安定感と成長性のバランスを取ることができる
オルカンとS&P500の両方持つデメリット


米国株の比率が思った以上に高くなる
オルカン自体が約60%米国株で構成されているため、そこにS&P500を追加すると、全体のポートフォリオで70~80%が米国株という状態になることも。
「分散のつもりで両方買ったのに、意外と米国に偏ってしまっていた」というケースもあります。
シンプルな運用が難しくなる
1本だけの運用(たとえばオルカン100%)であれば、特にリバランスも不要で手間がかかりません。
でも、2本持つと定期的に比率を確認したり、米国株が増えすぎた場合に調整(リバランス)したりする必要があります。
積立設定も2本分必要になるため、投資初心者には少し管理が複雑に感じるかもしれません。
米国市場に依存しすぎるリスクがある
過去の米国株は圧倒的な成長を見せてきましたが、将来も同じペースで成長するとは限りません。
もし米国市場が長期的に低迷した場合、S&P500の比率が高いほど、ポートフォリオ全体へのダメージも大きくなります。
手数料が重複する可能性がある
どちらも低コストなインデックスファンドが多いとはいえ、2本持つことで手数料が2重にかかる形になります。
たとえば、S&P500を含む米国株ファンドの方が信託報酬がやや高い場合、1本化したほうがトータルのコストが安く済むケースもあります。



どちらも魅力的な選択肢ですが、投資の目的や考え方によって答えが変わるのが面白いところ。自分がどのスタンスで投資したいのか、じっくり考えるのもまた楽しいですね!
オルカンとS&P500、どっちが自分に合ってる?


オルカンとS&P500、それぞれに良さがあるからこそ迷ってしまう…という方も多いと思います。
ここでは、それぞれの投資スタイルに合った「向いている人の特徴」をまとめました。
両方持つのが向いている人
- 米国の成長に期待しつつ、リスク分散も意識したい人
- 米国のリターンに期待しつつ、オルカンで他地域にも投資しておけば、リスクも抑えられます。
- オルカンだけでは米国比率が少し物足りないと感じる人
- オルカンの米国比率は約60%。「もっと米国に寄せたい」と感じる人にはS&P500の追加が効果的です。
- 将来も米国が世界経済をけん引すると考えている人
- ITやテクノロジー企業が強い米国に今後も期待している人は、S&P500を加えることでその成長にしっかり乗れます。
- 資産全体を自分好みにカスタマイズしたい人(米国比率の調整など)
- たとえば「オルカン70%+S&P50030%」のように、自分で米国の比率をコントロールしたい人に向いています。
オルカン一本の方が向いている人
- 投資をシンプルにしたい人(手間を減らしたい)
- 積立も1本だけ、リバランスも不要なので、投資初心者や忙しい人には扱いやすいです。
- 幅広い地域に分散した運用をしたい人
- 米国だけでなく、欧州・日本・新興国も含めてバランスよく投資できるのがオルカンの強みです。
- 今後の世界の成長がどこにあるか読み切れないと考える人
- 特定の国にかけるのではなく、「どの国が伸びても取りこぼさない」スタンスが取れます。
- リバランスや管理にあまり時間をかけたくない人
- 1本で世界中に分散されているため、ポートフォリオの管理がとてもシンプルになります。



どちらにも良さがあるからこそ、自分の投資スタイルや考え方に合うかどうかが大切だなと感じます。「無理なく続けられるかどうか」も判断のポイントですね。
オルカンとS&P500、どう組み合わせる?


オルカンとS&P500のどちらも魅力的だからこそ、「結局どう組み合わせればいいの?」と迷ってしまう方も多いはず。
ここでは、投資スタイルに合わせたモデルポートフォリオの例をいくつか紹介します。
自分の考え方や目的に合うものがないか、ぜひ参考にしてみてください。
- バランス型:オルカン80% + S&P500 20%
- 基本は全世界に投資しつつ、少しだけ米国の成長を取り込みたい人向け。
「米国は強いけど、世界全体にも期待したい」という方にちょうどよい配分です。
- 基本は全世界に投資しつつ、少しだけ米国の成長を取り込みたい人向け。
- 米国重視型:オルカン50% + S&P500 50%
- 米国とそれ以外の世界を半々で持ちたい人向け。
分散も意識しながら、米国への期待も大きい人にバランスの良い選択肢です。
- 米国とそれ以外の世界を半々で持ちたい人向け。
- 米国特化型:オルカン30% + S&P500 70%
- 「これからも米国が強い」と信じている人向け。
リスクは上がりますが、米国の成長をしっかり取り込める構成です。
- 「これからも米国が強い」と信じている人向け。
- シンプル志向:オルカン100%
- 1本で世界分散が完結するスタイル。
米国の比率は約60%あるため、「実はこれで十分」と感じる人も多い選択肢です。
- 1本で世界分散が完結するスタイル。
📌 ポイント
組み合わせに「これが正解!」という形はありません。
大切なのは、自分の気持ちにフィットして、無理なく続けられるかどうかです。
たとえば「最初はオルカンだけで始めて、途中からS&P500を加えてみる」といったやり方もOKですし、
「しばらく様子を見ながら、米国比率を少しずつ変えてみる」なんていうのも自然な流れです。
焦らず、自分が心地よいと思えるバランスからスタートするのがいちばん。
運用しながら「やっぱりこうしたいな」と感じたときに、見直していけば大丈夫です!



他の人のやり方を見て、「自分はこれでいいのかな…」と迷うこともありますが、やっぱり大事なのは、自分にとって無理なく続けられる形かどうかだと思っています!
まとめ
オルカンとS&P500は、どちらも人気の高い投資対象ですが、それぞれに特徴があります。
オルカンは、全世界の株式に分散投資できるのが強み。
米国以外にも日本・欧州・新興国など、幅広い地域の成長を取り込むことができます。
S&P500は、米国を代表する500社に投資するため、米国経済が好調なときのリターンが魅力的です。
両方を持つことで、
- オルカンだけでは物足りない米国の比率を補える
- 米国一国への偏りを抑えつつ、成長性も狙える
といったメリットがあります。
一方で、S&P500を加えることで米国比率が思った以上に高くなってしまったり、管理が少し複雑になったりする面もあるので、注意も必要です。
組み合わせ方はさまざまですが、以下のような配分が参考になります。
タイプ | 配分例 | 特徴 |
---|---|---|
バランス型 | オルカン80% + S&P500 20% | 分散を重視しつつ、米国の成長も少し加える |
米国重視型 | オルカン50% + S&P500 50% | 世界と米国を半々にしたい人向け |
米国特化型 | オルカン30% + S&P500 70% | 米国の成長に強く期待している人向け |
シンプル志向 | オルカン100% | 手間をかけず、1本で完結したい人向け |
投資スタイルは人それぞれですし、一度決めた配分も、途中で変えて大丈夫です。
「まずはこれでやってみよう」と思える形で始めて、慣れてきたら少しずつ調整するのも立派な選択です。
どんな選び方でも、大切なのは「続けられること」。
少しずつ、自分らしい投資を育てていければ大丈夫です。
焦らず、自分のペースで少しずつ育てていける投資スタイルを見つけていきましょう。
当ブログは、投資の勧誘を目的としたものではありません。
投資に際しては、ご自身の判断と責任で行っていただくようお願い申し上げます。



最後まで読んでいただき、ありがとうございました!