2025年10月の株主優待シーズンが近づいてきました🎉
この記事では、10月に権利確定日を迎える優待銘柄を一覧で整理し、その中から特に注目したい銘柄をピックアップして解説しています。
優待内容や配当利回りだけでなく、企業の安定性や成長性といった視点もあわせて確認できるので、銘柄選びのヒントとして活用いただければと思います。
また、株主優待を受け取るうえで欠かせない「権利確定日」についても、ポイントをわかりやすく整理しました。
気になる銘柄があれば、早めにチェックしておくのがおすすめです。
それでは、さっそく10月注目の優待銘柄を見ていきましょう!
権利確定日と優待取得の流れ

株主優待を受け取るために必要な条件として、「権利確定日」があります。
この日は企業ごとに定められており、この日までに株を保有していることで、優待や配当を受け取る権利を得ることができます。
権利確定日とは?
権利確定日は、その時点で株主名簿に名前が記載されている株主に、優待や配当の権利が与えられる日です。
この権利を得るには、「権利付き最終日」までに株を購入して保有していることが条件となります。
2025年10月の権利確定日は10月31日(金)、権利付き最終日は10月29日(水)となっています。
優待や配当を受け取るまでの流れ
配当・優待を受け取るためのステップを簡単に確認してみましょう。
権利確定日の2営業日前である権利付き最終日(10月29日)までに株を購入し、保有していることが条件です。
この日を逃してしまうと、優待や配当を受け取ることができないため、注意が必要です。
権利付き最終日の翌日である権利落ち日には、株を売却しても優待や配当の権利が保持されます。
ただし、この日は株価が下落することが一般的なので、売却タイミングに注意しましょう。
権利確定日を過ぎると、その月の株主優待や配当の権利が正式に確定します。
この時点で株主名簿に記載されていれば、優待や配当が確実に受け取れます。
具体例と注意点
2025年10月の株主優待や配当を受け取るには、権利付き最終日(10月29日)までに株を購入することが必須です。
たとえば、10月30日(権利落ち日)以降に購入した場合、その月の優待を受け取ることはできません。
また、以下の点にも注意しましょう。
- 株価の変動リスク:権利落ち日に株価が下落することがあるため、タイミングを計って取引する必要があります。
- 優待内容や条件の確認:優待内容や条件が企業によって異なるため、公式情報を事前にチェックすることが重要です。
2025年10月の優待銘柄リスト(株価情報は、2025年9月20日時点)
今回ご紹介する株主優待銘柄を、より見やすく整理した「優待銘柄リスト」をご用意しました。
基本情報や財務指標、優待内容などを一覧で比較できるようになっており、効率的に検討を進めることができます。
優待投資をお考えの方はもちろん、これから投資を始めたい方にもおすすめの内容です。
ご自身の投資スタイルや目的に合わせて、ぜひお役立てください!

ツイッター(X)で、データ更新のたびに優待銘柄リストを載せています。
気になる方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
#株主優待
— しけなぎ@銘柄分析ツール公開中📊 (@shikenagi110) September 20, 2025
📢10月の株主優待銘柄を一覧化しました!
10月は銘柄数は多くありませんが、個性的な優待が揃っています。
優待内容・財務・利回りを一目で比較できるリストにまとめました📝
✅ 権利付き最終日をカレンダーでチェック🗓
✅ 10月権利の優待内容を一覧で比較📑
✅… pic.twitter.com/lMfHYkn61R
銘柄分析ツールのご紹介

皆さんが気になった銘柄はありましたか?
投資で大切なのは、「自分の投資スタイルに合う銘柄を選ぶこと」だと思います。
高配当株をコツコツ集めたい方もいれば、成長株でリターンを狙いたい方もいるでしょう。
ぜひ今回の内容を参考に、ご自身のスタンスに照らして考えてみてくださいね。
さらに詳しく個別銘柄を調べたい方には、私が公開している銘柄分析ツールをぜひ活用してみてください。
株価・配当利回り・ROE・自己資本比率などの基本データに加え、増配率やキャッシュフロー推移まで確認できます。
「気になる銘柄をさっと比較する」のに便利なツールです。

注目優待銘柄のピックアップ
今回の優待銘柄リストから、特に気になる銘柄をいくつかピックアップしました。
それぞれの銘柄の特徴や魅力、そしてリスクについても少し掘り下げてみたいと思います。
どの銘柄がどんな強みを持っているのか、一緒に見ていきましょう。
各銘柄の優待内容や財務状況を比較しながら、投資のヒントにしていただければ幸いです!
SCAT(3974)

SCATは、美容サロン向けICT事業を主力としながら、中小企業向けのビジネス支援サービスや介護サービス事業にも取り組んでいる企業です。
美容業界に特化したシステム提供を通じて安定した顧客基盤を持つ一方、介護分野など新規事業領域にも展開を広げており、成長性と安定性をあわせ持つ事業モデルが特徴です。
基本情報
- 株価:633円
- 時価総額:33億円
- PER:13.23倍
- PBR:0.9倍
- ROE:5.28%
- MIX係数:11.91
- 自己資本比率:66.2%
- 配当利回り:2.21%
- 配当性向:36.2%
- 累進配当:なし
- DOE採用:なし
- 株主優待:あり
- 連続増配年数:4年
- 減配回数:1回
- 増配率(1年/3年/5年/10年):23.8%/85.7%/49.9%/290.4%
- 営業CFマージン:8.87%
- 配当残年数:63年
ROEは5.3%とやや控えめで効率性には課題が残りますが、自己資本比率66.2%と堅実な財務基盤を持っている点は安心材料です。
配当性向は36.2%と余力があり、営業CFマージンも8.87%と安定しているため、無理のない範囲での株主還元が続けやすい状況といえます。
また、過去10年で約3倍(+290%)の増配を実現しており、長期的には株主還元に積極的な姿勢がうかがえます。
株主優待内容

出典:SCAT株式会社
SCATでは、2025年7月の東京証券取引所スタンダード市場に加えて名古屋証券取引所メイン市場への重複上場を記念し、特別優待を実施しています。
基準日時点で100株以上を保有する株主を対象に、クオカードが贈呈されるシンプルな制度です。
基準日 | 対象株主 | 優待内容 | 贈呈時期(予定) |
---|---|---|---|
2025年10月末現在 | 100株以上保有 | クオカード1,000円分 | 2026年1月予定(株主総会招集通知に同封) |
今回の優待は一度きりの記念優待となりますが、使いやすいクオカードの提供は個人投資家にとって魅力的です。
長期制度ではないものの、上場を機に株主への感謝を示す取り組みとして好印象を持てる内容です。
- 事業の広がり
- 美容サロン向けICTというニッチ領域に強みを持ちつつ、中小企業支援や介護サービスへと事業を拡大。
- 既存の安定基盤+成長分野への挑戦という構図が特徴です。
- 財務面の安心感
- 自己資本比率66%と高水準で、規模の小ささを補う堅実な財務基盤があります。
- ROEは5%台と控えめですが、無理のない利益積み上げが続いています。
- 還元実績の積み上げ
- 配当は過去10年で約3倍に増加しており、株主還元を重視してきた実績が明確です。
- 営業CFの安定感を背景に、今後も安定的な配当が期待できます。
- 記念優待の実施
- 名証メイン市場への重複上場を機に、クオカード1,000円分の記念優待を実施。
- 単発ではありますが、株主への感謝を形にした施策として好印象です。
🌟おすすめ度(主観的評価):★★★☆☆+(3.5)

SCATは、美容サロン向けICTというニッチ市場に強みを持ちつつ、中小企業支援や介護といった分野へも事業を広げている点が魅力です。
財務面では自己資本比率66%と高水準で安定感がある一方、ROEは5%台と収益性の高さはまだ課題といえます。
それでも、過去10年で約3倍の増配実績を残しており、株主還元の積み上げ姿勢は好印象です。
今回の記念優待(クオカード1,000円分)は一度きりではあるものの、投資家への誠意を示す動きとして評価できます。
規模が小さく成長余地はあるものの、収益性がもう一段伸びてくるかどうかが注目点。
現時点では「堅実だが派手さは控えめな銘柄」といった印象で、長期的な視点でゆるやかな成長を見守るタイプだと感じます。
萩原工業(7856)


萩原工業は、合成樹脂繊維の大手メーカーです。
土木建築向けの樹脂シートを主力に、原糸から最終製品まで一貫生産できる体制を持つことが強みです。
幅広い分野で利用される製品を手掛けており、インフラや建設需要に支えられた安定した事業基盤を有しています。
また、原料から製品まで自社で完結できる技術力と生産体制は、コスト競争力や品質面で優位性を発揮しています。
基本情報
- 株価:1,714円
- 時価総額:255億円
- PER:10.72倍
- PBR:0.8倍
- ROE:5.34%
- MIX係数:8.68
- 自己資本比率:68.1%
- 配当利回り:3.79%
- 配当性向:54.2%
- 累進配当:なし
- DOE採用:なし
- 株主優待:あり
- 連続増配年数:2年
- 減配回数:1回
- 増配率(1年/3年/5年/10年):20.0%/66.7%/76.5%/140.0%
- 営業CFマージン:13.33%
- 配当残年数:37年
ROEは5%台と収益性は控えめですが、自己資本比率68%超と高水準で、財務の安定感は際立ちます。
配当性向は54.2%とやや高めながら、営業CFマージン13%超を背景に無理のない範囲での還元が可能です。
過去10年で+140%の増配を実現しており、長期的に株主への利益還元を積み重ねてきた点も評価できます。
株主優待内容


出典:萩原工業株式会社
萩原工業では、毎年10月末時点で100株以上を保有する株主を対象に、岡山県の特産品や自社製品などを選べるカタログギフト形式の優待を実施しています。
保有株式数と継続保有年数によって優待金額が変わり、長期保有株主に有利な仕組みとなっています。
保有株式数/保有年数 | 3年未満 | 3年以上 |
---|---|---|
100株以上〜1,000株未満 | 1,000円相当 | 2,000円相当 |
1,000株以上 | 3,000円相当 | 6,000円相当 |
優待内容は、岡山県産の農産品、自社製品詰め合わせ、ギフト食品、QUOカードなどから自由に選択可能で、金額の範囲内で複数商品を組み合わせることもできます。
また、寄付(日本赤十字社・AMDA・大原美術館など)を選ぶことも可能です。
なお、この優待制度は2026年10月期をもって廃止予定であり、それ以降は配当による直接的な株主還元に一本化される方針が示されています。
- 収益基盤の安定性
- 合成樹脂繊維の大手として、土木建築向けの樹脂シートを中心に幅広い用途を持つ製品群を展開しています。
- 原糸から製品までの一貫生産体制により、品質とコストの両面で競争力を持ち、インフラ需要に支えられた安定した収益基盤を確保しています。
- 堅実な財務体質
- 自己資本比率は68.1%と非常に高く、業界内でも堅実な財務体制が際立ちます。
- ROEは5%台とやや控えめながら、営業CFマージン13%超のキャッシュフローが収益の底堅さを示しています。
- 株主還元の姿勢
- 過去10年で+140%の増配実績があり、株主への利益還元を継続してきました。
- 配当性向は54%とやや高めですが、安定したキャッシュフローを背景に配当を維持しやすい環境にあります。
- 株主優待の特徴
- 岡山県特産品や自社製品を選べるカタログギフトを展開しており、長期保有で金額が倍増する仕組みが魅力です。
- ただし、2026年10月期をもって優待制度は廃止予定であり、今後は配当による直接的な還元に一本化される方針です。
🌟おすすめ度(主観的評価):★★★☆☆+(3.5)



萩原工業は、合成樹脂繊維の一貫生産体制を強みに持ち、建設・土木分野を中心とした安定的な収益基盤を築いています。
財務は自己資本比率68%超と非常に健全で、キャッシュフローも安定しており、安心感のある企業といえます。
一方で、ROEは5%台と収益性はやや低めで、成長性のインパクトには欠ける印象があります。
株主還元面では、10年で+140%の増配を実現している点は好印象ですが、2026年を最後に株主優待制度を廃止する方針で、個人投資家にとっては魅力が薄れる側面も否めません。
総じて、安定配当を重視する投資家向けの銘柄といえますね。
大きな成長を期待するよりは、堅実にインフラ需要に支えられた事業と安定配当を享受するスタンスで向き合うのが良さそうです。
ファースト住建(8917)


ファースト住建は、木造中心の戸建て分譲住宅を主力とする不動産企業です。
一次取得者層(初めて住宅を購入する層)を中心に展開しており、価格競争力を持つ住戸を提供することで、近畿圏を中心に安定した需要を確保しています。
地域に根ざした住宅供給と分譲実績を積み重ねることで、住まいの安心感と手の届きやすさを両立させている点が特徴です。
基本情報
- 株価:1,254円
- 時価総額:212億円
- PER:10.90倍
- PBR:0.4倍
- ROE:6.45%
- MIX係数:4.69
- 自己資本比率:64.9%
- 配当利回り:3.43%
- 配当性向:23.9%
- 累進配当:なし
- DOE採用:なし
- 株主優待:あり
- 連続増配年数:0年
- 減配回数:1回
- 増配率(1年/3年/5年/10年):0.0%/0.0%/0.0%/16.2%
- 営業CFマージン:16.77%
- 配当残年数:65年
ROEは6.5%と効率性は平均的ながら、自己資本比率64.9%と財務面の安定感は高い水準にあります。
配当性向は約24%と余裕を持った還元姿勢で、営業CFマージン16%超を背景に配当の持続性は十分といえます。
一方で、ここ数年は連続増配が見られず、増配実績は10年で+16%程度にとどまる点が課題です。
株主優待内容


出典:ファースト住建株式会社
ファースト住建では、毎年4月末および10月末時点で株主名簿に記載された100株以上を1年以上継続保有する株主を対象に優待を実施しています。
優待内容は保有株数に応じて異なり、日常で使いやすいクオカードや、地域色を感じられる食品ギフトが用意されています。
所有株式数・継続保有期間 | 贈呈内容 |
---|---|
100株以上300株未満・1年以上 | クオカード(500円分) |
300株以上・1年以上 | 手延素麺揖保乃糸「食べくらべセット」(上級品・特級品・縒つむぎ) |
優待の基準日は毎年2回(4月末・10月末)で、1年以上の継続保有が必須条件となります。
クオカードは小口投資家でも利用しやすく、300株以上保有の株主には兵庫県特産の素麺セットが贈られるなど、地域色を活かした優待が魅力です。
- 収益基盤の特徴
- 木造戸建て分譲住宅を主力とし、一次取得者層向けの需要を中心に安定した販売基盤を築いています。
- 近畿圏を地盤とした事業展開は地域に根差しており、堅実な事業モデルといえます。
- 堅実な財務体質
- 自己資本比率64.9%と高水準を維持し、財務面の安定感はしっかり確保されています。
- ROEは6.5%と平均的な水準ですが、営業CFマージン16%超を背景に、キャッシュフロー面での強さがうかがえます。
- 株主還元の姿勢
- 配当利回りは3.4%台で、配当性向も約24%と余裕を持った還元が続いています。
- 一方で、ここ数年は連続増配の実績がなく、過去10年の増配率も+16%にとどまっている点は物足りなさがあります。
- 株主優待の魅力
- 1年以上の継続保有が条件ですが、100株からクオカード(500円分)、300株以上では兵庫県特産の「揖保乃糸 食べくらべセット」がもらえる仕組みです。
- 小口株主にも配慮しつつ、地域色を感じられるギフトはユニークで、長期保有を促すインセンティブになっています。
🌟おすすめ度(主観的評価):★★★☆☆(3.0)



ファースト住建は、一次取得者層向けの戸建て分譲住宅を主力とする堅実な不動産企業です。
地盤である近畿圏に根差した事業展開は安定感があり、自己資本比率64.9%と高水準の財務基盤に加え、営業CFマージン16%超という健全なキャッシュフローも安心材料です。
一方で、ここ数年は連続増配が見られず、10年での増配率も+16%にとどまるなど、株主還元の成長性は物足りません。
配当利回りは3%台と悪くない水準にあるものの、積極的な増配姿勢が欠ける点は投資判断で注意が必要です。
株主優待は、1年以上の継続保有が条件ながら、クオカードや「揖保乃糸」のギフトといった実用性と地域色を兼ね備えた内容で、長期保有を後押しする仕組みといえます。
総じて、「高成長株」ではなく「堅実な安定株」として位置づけられる銘柄です。
成長よりも安定した配当と地域色のある優待を重視する投資家にとっては、一定の魅力を感じられる企業といえますね。
AB&Company(9251)


AB&Companyは、「Agu.」ブランドを中心とした美容室の運営を手掛ける企業です。
直営店やフランチャイズを組み合わせた全国展開に加え、店舗のインテリアデザインや設計事業も行っており、サービス領域を広げています。
美容業界に特化した強みを生かし、トレンドを反映した店舗づくりやブランド戦略により、成長を続けている点が特徴です。
基本情報
- 株価:1,236円
- 時価総額:188億円
- PER:13.91倍
- PBR:2.0倍
- ROE:12.65%
- MIX係数:27.54
- 自己資本比率:34.2%
- 配当利回り:4.85%
- 配当性向:37.1%
- 累進配当:なし
- DOE採用:なし
- 株主優待:あり
- 連続増配年数:0年
- 減配回数:0回
- 増配率(1年/3年/5年/10年):0.0%/(空白)/(空白)/(空白)
- 営業CFマージン:18.76%
- 配当残年数:10年
ROEは12.7%と高めで、効率的に利益を生み出せる収益力が見られます。
一方で、自己資本比率34.2%とやや低めで、成長投資を積極的に行っている段階といえます。
配当性向は37%と適度なバランスで、配当利回り4.9%前後と高水準なのは投資家にとって大きな魅力です。
ただし、上場からの歴史が浅く、増配実績はまだ蓄積されていない点には留意が必要です。
株主優待内容


出典:AB&Company株式会社
AB&Companyでは、毎年10月末時点で100株以上を保有する株主を対象に、自社公式オンラインストアで利用可能な割引券や優待券、またはオリジナル商品を贈呈しています。
2025年10月期から制度が変更され、優待内容がより細分化されました。
保有株式数 | 優待内容 | 備考 |
---|---|---|
100株以上200株未満 | 7,000円相当のオンラインストア割引券 | 10,000円以上の購入が条件 |
200株以上500株未満 | 10,000円相当のオンラインストア優待券 | – |
500株以上600株未満 | 20,000円相当のオンラインストア優待券 | – |
600株以上 | 20,000円相当のオンラインストア優待券 または 26,000円相当のオリジナルドライヤー | – |
- 優待券は自社オリジナル商品(シャンプーなど)に利用可能で、複数商品を組み合わせての利用も可能です。
- 割引券については10,000円以上の購入が条件となり、合計金額から7,000円分が割引されます。
公式発表では「公平性を意識した株主還元の見直し」と説明されていますが、実際の投資家の反応では、100株や500株保有では金額や条件面で実質的に改悪と受け止められる声が目立ちます。
一方で、200株や600株以上を保有する株主にとっては改善要素も含まれるため、賛否が分かれる制度変更といえます。
- 収益基盤の成長性
- 「Agu.」ブランドを中心に、美容室の直営・FC展開で全国的に店舗網を拡大。
- 店舗デザインや設計事業も組み合わせ、美容業界に特化した独自の成長モデルを築いています。
- 財務体質と効率性
- ROEは12%超と高水準で、効率的に利益を生み出せる収益力が魅力です。
- 一方で、自己資本比率34%台とまだ厚みには欠ける面もあり、成長投資を続けている段階といえます。
- 株主還元の姿勢
- 2025年から配当方針を見直し、配当性向50%または1株60円を下限とする新基準を採用。
- 期末配当も28円から60円へ大幅増配を予定しており、株主還元姿勢を一段と強めています。
- 株主優待の変更
- 自社オンラインストアで使える優待券は200株以上・600株以上で改善要素がある一方、100株や500株では実質的に改悪と受け止められています。
- 投資家の反応は賛否分かれており、「優待縮小の代わりに配当強化」という方向性が明確になったといえます。
🌟おすすめ度(主観的評価):★★★☆☆+(3.5)



AB&Companyは、美容室ブランド「Agu.」を中心に直営+FCの二本柱で成長している企業です。
ROE12%超と収益性は高く、効率的に利益を上げられる点は魅力的です。
今回の変更で目を引くのは、配当方針の大幅な強化です。
配当性向を50%に引き上げ、1株あたり60円を下限とする新方針を打ち出したことで、利回りは一気に高水準へ。
株主還元への本気度が伝わる内容で、安定的に高配当を期待できるようになりました。
一方で、株主優待は小口や中規模保有者にとって実質的な改悪となり、投資家の間では賛否が分かれています。
ただし、200株以上や600株以上を保有する株主にはむしろ改善要素もあり、優待と配当をトータルでどう捉えるかが判断ポイントです。
総じて、優待よりも配当重視へシフトした銘柄といえます。
「高配当株」としての魅力が際立つ一方で、優待目的での投資妙味は薄れた印象。
配当での安定還元を評価する投資家に向いた銘柄といえますね。
カナモト(9678)


カナモトは、北海道地盤の建機レンタル大手です。
国内では関東・関西など主要エリアへ積極展開しており、建設機械リースに加えて鉱山機械リースなども手掛けています。
インフラ整備や公共事業に支えられた安定需要を背景に、全国的な事業基盤を強化してきた企業です。
基本情報
- 株価:3,565円
- 時価総額:1,381億円
- PER:11.88倍
- PBR:0.9倍
- ROE:6.57%
- MIX係数:10.34
- 自己資本比率:43.4%
- 配当利回り:2.52%
- 配当性向:31.5%
- 累進配当:あり
- DOE採用:なし
- 株主優待:あり
- 連続増配年数:1年
- 減配回数:0回
- 増配率(1年/3年/5年/10年):6.7%/14.3%/23.1%/128.6%
- 営業CFマージン:20.12%
- 配当残年数:39年
ROEは6.6%とやや控えめですが、営業CFマージン20%超とキャッシュフローの安定性が際立ちます。
自己資本比率は43%とバランス型で、成長投資と財務の健全性を両立。
配当性向は31%と無理のない水準で、累進配当方針ありという点が安心材料です。
過去10年で+128%の増配実績を残しており、株主還元への積極性も伺えます。
株主優待内容


出典:株式会社カナモト
カナモトでは、毎年10月末時点で500株以上を1年以上継続保有する株主を対象に、北海道銘菓や特産品を贈呈しています。
優待内容は保有株数と継続保有期間に応じて変わり、長期保有株主に手厚い設計となっています。
保有株式数 | 継続保有期間 | 優待内容(2025年10月期から) |
---|---|---|
500株以上1,000株未満 | 継続1年以上 | 2,000円相当の北海道銘菓 |
1,000株以上 | 継続1年以上3年未満 | 6,600円相当の北海道商品 |
1,000株以上 | 継続3年以上 | 9,900円相当の北海道商品 |
優待の内容は、六花亭などの銘菓、北海道産の野菜セット、ローストビーフやアスパラガスといった特産品から選べるのが特徴です。
また、2025年10月期から金額が従来より増額されており、1,000株以上の株主にとっては魅力が拡大しています。
四半期ごとの株主名簿で同一株主番号が確認されることが継続保有の条件となるため、長期保有を促すインセンティブとしても機能しています。
- 収益基盤の安定性
- 建設機械レンタルを主力とし、北海道から全国へ展開してきた大手の一角です。
- 公共事業やインフラ整備需要を背景に、安定した稼働率を維持しています。
- 堅実な財務体質
- 自己資本比率は43%台と中堅クラスの水準で、成長投資と財務健全性のバランスをとっています。
- 営業CFマージンも20%超と高く、キャッシュフローは安定しています。
- 株主還元の姿勢
- 配当性向は3割強に抑えつつ、累進配当方針を採用しているため、安定的な増配が期待できます。
- 過去10年で+128%の増配実績もあり、株主還元に積極的な姿勢がうかがえます。
- 株主優待の特徴
- 北海道銘菓や特産品が選べる優待制度を実施しており、長期保有で優待金額が増える仕組みです。
- 2025年10月期からは優待金額が増額され、1,000株以上の株主にとって魅力度が高まった点も注目されます。
🌟おすすめ度(主観的評価):★★★☆☆+(3.5)



カナモトは、建機レンタル大手としての安定基盤を持ち、インフラ需要や公共事業に支えられて堅調に事業を展開しています。
営業CFマージン20%超とキャッシュフローが強く、累進配当を掲げている点は投資家にとって安心材料です。
一方で、ROEは6%台と収益性はやや控えめで、株価の大きな成長性を期待する銘柄ではないかと思います。
ただし、過去10年で+128%の増配実績があり、株主還元の積み上げ姿勢は評価できます。
株主優待では、北海道銘菓や特産品を選べる楽しみがあり、2025年からは優待金額が増額されるなど改善も見られます。
長期保有を前提にすれば、配当と優待を合わせて安定してリターンを得やすい銘柄といえますね。
総じて、大きな成長よりも堅実な安定収益と還元を重視した投資家に向く銘柄という位置づけです。
まとめ:10月の優待シーズンは“届く楽しみを味わえる”銘柄を
10月は対象となる銘柄数こそ多くはありませんが、個性的な優待が目立つシーズンです。
今回取り上げた企業も、それぞれが「自社らしさ」を活かした工夫ある優待や、堅実な株主還元策を打ち出している点が印象的でした。
配当方針を強化し、今後の増配に期待できる企業。
財務の安定感を背景に、着実に株主還元を積み上げてきた企業。
そしてQUOカードや地域色のある食品、オリジナル商品など、“届く楽しみ”を感じられる優待。
数字の裏側に「長く応援したくなる理由」があることも、このシーズンならではの魅力です。
この記事のポイントを、改めて整理しておきます。
- 10月の権利付き最終日は 10/29(水)
- 配当利回りや増配実績に加え、配当性向やキャッシュフローも要チェック
- QUOカード・食品・自社商品など“使える優待”が揃うのが特徴
- 優待+配当で、楽しみながら投資を続けやすい銘柄が多い
投資では数字で比較することも大切ですが、「この企業を応援したい」「優待が届くのが楽しみ」と感じられるかどうかも重要な視点です。
保有している間に優待が届き、配当が入って、生活の中で小さな喜びを味わえる。
そんな体験こそが、優待投資の大きな魅力だと思います。
10月は銘柄数が少ない分、内容に個性が光ります。気になる企業を見つけて、自分なりの楽しみ方を広げてみましょう!
当ブログは、投資の勧誘を目的としたものではありません。
投資に際しては、ご自身の判断と責任で行っていただくようお願い申し上げます。



最後まで読んでいただき、ありがとうございました!