株式投資をしていると、「DOE」という指標に注目が集まっているのを目にすることが増えてきました。
DOE(株主資本配当率)は、株主資本に対する配当金の割合を示す指標で、投資家にとって企業の配当の安定性や長期的な成長性を判断する際に役立つものです。
特に安定した配当を重視する方にとって、DOEは魅力的な指標として注目されています。
ここで「DOEって、配当利回りとどう違うの?」と疑問に思われるかもしれませんね。
配当利回りは、株価に対する配当の割合を示すのに対して、DOEは企業の自己資本に対する配当の割合を示します。
つまり、株価の変動に左右されにくく、企業が株主にどれだけの還元をしているかを安定的に把握できる点が大きな特徴です。
このブログでは、DOEの基本的な意味やメリットを解説し、さらに安定した配当が期待できる注目のDOE採用銘柄を紹介していきます。
安定的な収益を目指す長期投資家の方々には、ぜひお読みいただきたい内容です。
DOE採用銘柄の選び方やその魅力に迫り、皆さんの投資判断のお役に立てる情報をお届けしたいと思います。
DOEを採用する企業のメリットと特徴

安定した配当を提供する企業として注目されるDOE採用企業ですが、実際にDOEを採用することで企業にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
また、投資家にとっても安定した配当が期待できることが魅力の一つです。
ここでは、DOEを採用する企業の背景やメリット、そして投資家にとっての意義について詳しく解説していきます。
DOE採用の背景
多くの企業がDOE(株主資本配当率)を重視する背景には、株主への安定した配当を提供したいという強い意志があります。
企業がDOEを配当方針に組み込むことで、株主に対して「安定した利益還元を約束する」というメッセージを示すことができます。
特に、財務が健全な企業であればあるほど、この指標を重視しやすく、長期的な信頼を築く土台となります。
配当政策としてのDOEの強み
DOEの大きな魅力は、安定した配当を維持しやすい点にあります。
株価が変動しても、株主資本に対する一定の割合で配当を設定するため、配当額が極端に減少するリスクが低く、株主の安心感を高められます。
これにより、企業は投資家に「安定したリターン」を提供し続けることができ、株主との信頼関係が深まります。
投資家へのメリット
DOEを採用する企業は、一般的に配当の安定性が高いとされます。
市場の変動があっても、DOEを基準にすることで企業は持続的に配当を提供できるため、特に長期投資を好む方にとって魅力的な選択肢となります。
また、定期的な配当収入が見込めるため、資産形成を目指す投資家にとっても大きなメリットです。
企業にとっての財務健全性の利点
DOEの導入は、企業の財務管理を強化する手段としても効果的です。
企業はDOEを基準に配当方針を設けることで、無理な配当を行うことなく、健全な財務体制を維持することが可能です。
このような財務の健全性が確保されることで、長期的に成長を続けるための強固な土台が築かれ、株主への安定的な還元も期待できます。
DOE採用銘柄の選び方

DOE採用銘柄に投資する際、「どの基準で選べばいいのだろう?」と迷う方も多いかと思います。
安定した配当を期待するためには、企業の財務基盤や配当方針をしっかりと確認することが大切です。
また、同業他社と比較することで、企業の強みをより明確に理解することができます。
ここでは、DOE採用銘柄を選ぶ際の具体的な基準について、数値目安も含めてご紹介します。
基本的な選定基準
まず、DOE採用銘柄を選ぶ際には、企業が長期的に安定した配当を維持できるかどうかを見極めることが大切です。
以下の指標は、安定した配当の維持が期待できる銘柄を見つけるための基本的な基準です。
- 財務健全性(自己資本比率、負債比率):自己資本比率が50%以上、負債比率が100%以下
- 配当成長の持続性:過去5年以上にわたり減配がない、もしくは連続増配
- ROE(株主資本利益率):ROE(株主資本利益率)が10%以上
- 配当金残年数:10年以上
財務健全性(自己資本比率、負債比率)
財務の健全性を測るために、自己資本比率が50%以上、負債比率が100%以下である企業を選ぶと安心です。
自己資本比率が高い企業は経済変動にも強く、安定した配当を提供しやすい傾向にあります。
また、負債が少ない企業は配当原資が確保されやすく、継続的な配当が期待できます。
配当成長の持続性
配当が年々増えている企業は、今後の配当成長が見込めます。
過去5年以上にわたり減配がない、もしくは連続増配している企業は、株主重視の姿勢が強く、配当の安定性が高いといえます。
ROE(株主資本利益率)との関係
ROE(株主資本利益率)が10%以上の企業は、同業他社と比較して収益性が高いとされます。
ROEが高ければ、同じ株主資本を効率よく使って利益を生んでいることを意味し、企業の安定配当の可能性も高まります。
DOEとROEの両方を組み合わせて考えると、企業の収益力と配当のバランスがわかりやすくなります。
配当金残年数
配当金残年数は、企業の利益剰余金を年間配当金総額で割った数値で求められます。
この数値は「企業が現状の利益剰余金でどれだけの年数、配当を維持できるか」を示す指標です。
配当金残年数が10年以上あれば、配当維持の余力があると判断でき、安定性が高いといえます。
具体的な銘柄選定のポイント
さらに、DOE銘柄を選ぶ際には同業他社と比較することも重要です。
以下のポイントを確認すると、業界内でのポジションや配当の安定性を判断しやすくなります。
- ROEが業界平均以上:業界内で高いROEを持つ企業は、財務的な競争力が高く、配当の持続性も期待できます。
- 配当利回りが業界上位:同業他社と比較して高い配当利回りを提供している企業は、安定した利益還元が期待でき、株主重視の姿勢が強いと評価されます。
- 増配または減配なしの実績:過去5年以上にわたって減配がない、または連続増配している企業は、配当の安定性や成長性が確保されている可能性が高いです。
注目のDOE採用銘柄
安定した配当を期待する投資家にとって、DOE(株主資本配当率)を採用する企業は心強い存在です。
財務基盤がしっかりしていて、株主への還元を大切にしている企業が多く、長期的な投資に向いている銘柄も見つかりやすいです。
ここでは、特に注目しておきたいDOE採用銘柄を厳選し、その魅力やポイントをご紹介します。
配当の安定性や成長性を重視される方にとって、投資先選びの参考になれば幸いです。

ツイッター(X)で、データ更新のたびに注目銘柄リストを載せています。
気になる方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
📢 DOE(株主資本配当率)を採用している企業をまとめました!
— しけなぎ@銘柄分析ツール公開中📊 (@shikenagi110) June 21, 2025
「配当利回り」だけでなく、企業がどんな方針で配当を出しているかにも注目してみませんか?
今回のリストは、DOEを明示している企業の中から、財務や増配実績に注目して厳選したものです👇
📌 リストの見どころ… pic.twitter.com/uHFdas2HEF
全てのDOE採用銘柄を一覧で確認したい方は、以下のページから銘柄分析ツールをご活用ください。
「DOE採用」ボタンを押すだけで、一覧で確認・比較が可能です。


中部飼料(2053)

中部地盤の独立系配合飼料メーカーで、業界内でも販売量は首位級の大手です。
飼料事業を軸に、有機肥料や畜産診療といった周辺分野にも展開しており、安定的な需要と継続収益が期待できる事業構成が特徴です。
配当・財務情報
- 株価:1,547円
- 時価総額:470億円
- PER:11.16倍
- PBR:0.7倍
- ROE:5.27%
- MIX係数:7.59
- 自己資本比率:66.4%
- 配当利回り:3.88%
- 配当性向:43.9%
- 累進配当:なし
- DOE採用:あり
- 株主優待:あり
- 連続増配年数:5年
- 減配回数:0回
- 増配率(1年/3年/5年/10年):30.0%/62.5%/100.0%/188.9%
- 営業CFマージン:5.71%
- 配当残年数:40年
配当利回りは3.8%台と高めで、5年連続の増配や配当余力の厚さも目を引きます。
割安なバリュエーションに対して、増配実績と財務の安定感がそろっており、中小型株の中でも着実に株主還元を続けてきた銘柄といえます。
配当政策とDOE目標

出典:中部飼料株式会社
中部飼料は、株主還元を重視しており、配当利回りは3.88%と魅力的な水準です。
また、純資産配当率(DOE)の引き上げを段階的に実施しており、3%以上を目指す目標を掲げています。
さらに、自社株買いを機動的に実施する方針もあるため、資本効率の改善と株主還元に積極的な姿勢が伺えます。
配当残年数は約40年と見積もられており、長期にわたって安定した配当が期待できる点も魅力です。
魅力と気をつけたいポイント
中部飼料は、安定した配合飼料の需要を背景に、堅実な事業基盤を築いている企業です。
特に畜産業界向けでは、今後も継続的な需要が見込まれており、業界内での確かな存在感と供給力が強みといえます。
また、配当利回りは3%台後半と高めで、DOE3%以上を目標とする株主還元方針も明示されており、配当収入を重視する投資家にも注目されやすい銘柄です。
一方で、ROEがやや控えめであることや、原材料価格の変動による収益の振れ幅には注意が必要です。
ただし、自社株買いなど資本効率向上に向けた取り組みも進めており、今後の収益改善や還元強化への期待も持てる内容となっています。
🌟おすすめ度(主観的評価):★★★☆☆(3.0)

高めの配当利回りに加え、長年安定した増配を続けている実績が好印象です。
配合飼料という景気に左右されにくい分野で着実に利益を積み上げており、“持っていて安心できる中小型株”というイメージに近いですね。
ROEの水準は控えめですが、その分財務健全性や配当余力の厚さでカバーできていると感じます。
中長期でじっくり配当を受け取りながら、堅実な企業を応援したい方に向いている銘柄だと思います。
E・Jホールディングス(2153)


E・Jホールディングスは、総合建設コンサルタント業を展開する専門企業グループです。
エイトコンサルタントと日本技術開発が統合して誕生し、官公庁案件を中心にインフラ整備や都市計画に強みを持っています。
地域に根差した社会基盤づくりを支える存在として、安定した受注と高い利益率を維持している点が特徴です。
配当・財務情報
- 株価:1,478円
- 時価総額:267億円
- PER:7.61倍
- PBR:0.8倍
- ROE:9.70%
- MIX係数:5.86
- 自己資本比率:78.7%
- 配当利回り:4.40%
- 配当性向:28.4%
- 累進配当:なし
- DOE採用:あり
- 株主優待:なし
- 連続増配年数:7年
- 減配回数:0回
- 増配率(1年/3年/5年/10年):10.0%/57.1%/189.5%/633.3%
- 営業CFマージン:10.59%
- 配当残年数:31年
配当利回りは4%超、PERは一桁台と、割安感と利回りの両面で魅力があります。
自己資本比率も高く、財務の健全性は抜群。加えて、配当性向がまだ抑えめで増配余地が大きいことも注目ポイントのひとつです。
中長期で安定還元を期待しつつ、上振れ余地を見込みたい投資家にとって、有力な候補といえます。
配当政策とDOE目標


出典:E・Jホールディングス株式会社
E・Jホールディングスは、株主への還元を大切にしており、配当利回りは4.40%と適度な水準です。
また、過去数年にわたり安定した配当を維持しており、株主還元を重視する姿勢が見て取れます。
さらに、2025年5月期までにDOE(株主資本配当率)を3.0%に設定する計画を掲げており、長期的な配当方針の強化に向けて取り組んでいます。
この方針により、今後も安定した配当が期待できる点が魅力です。
魅力と気をつけたいポイント
E・Jホールディングスは、官公庁向けのインフラ関連事業に強みを持ち、安定した受注と継続的な需要が期待できる企業です。
インフラ整備には長期的なプロジェクトも多く、特に地方公共事業の分野で今後の成長余地が見込まれている点も魅力です。
また、自己資本比率が非常に高く、財務基盤の安定性は際立っています。
配当面では、DOE3.0%を目標とした株主還元方針を掲げており、継続的な配当の伸びも期待しやすい内容です。
一方で、官公庁案件に依存するビジネスモデルであるため、公共投資の政策動向や予算の変化に左右される可能性があります。
また、事業の専門性が高いため、景気回復局面で大きく業績が伸びるタイプではないことも認識しておく必要があります。
インフラ需要の継続が見込まれる中で、安定した配当収入を中長期で得たいと考える投資家には、比較的安心して保有できる選択肢といえそうです。
🌟おすすめ度(主観的評価):★★★★☆(4.0)



配当利回りは4%を超え、7年連続増配・減配なしと、配当株としての安定感はかなり魅力的です。
自己資本比率の高さや営業CFマージンの水準を見ても、「攻める銘柄」より「守りながら育てる銘柄」という印象があります。
官公庁依存という構造リスクはありますが、景気に左右されにくいインフラ需要と高い利益率が下支えになっており、配当目的でじっくり保有したい方には相性が良さそうです。
今後の増配余地も十分にあり、バリュー・配当・安定性のバランスが取れた中小型株だと感じました。
キリンホールディングス(2503)


キリンホールディングスは、ビール・発泡酒市場で国内トップクラスのシェアを持つ大手飲料メーカーです。
医薬品分野にも進出しており、ヘルスサイエンス分野を含む多角化戦略を推進。
また、アジアを中心とした海外展開も進んでおり、成長余地と収益の安定性を兼ね備えた事業構成が特徴です。
配当・財務情報
- 株価:2,037円
- 時価総額:1兆8,618億円
- PER:11.00倍
- PBR:1.5倍
- ROE:5.03%
- MIX係数:16.39
- 自己資本比率:35.2%
- 配当利回り:3.63%
- 配当性向:98.8%
- 累進配当:あり
- DOE採用:あり
- 株主優待:あり
- 連続増配年数:0年
- 減配回数:0回
- 増配率(1年/3年/5年/10年):0.0%/9.2%/10.9%/86.8%
- 営業CFマージン:10.39%
- 配当残年数:19年
国内ビール市場の安定収益に加え、医薬や海外事業の成長性が支えとなっている銘柄です。
配当性向は高いものの、累進配当・DOE方針の採用により、一定の配当安定性が担保されている点は評価できます。
増配率は控えめで、「守りのインカム投資」に適した中大型株といった位置づけになりそうです。
配当政策とDOE目標


出典:E・Jホールディングス株式会社
キリンホールディングスは、従来の配当性向40%以上の方針から、より安定的な配当を実施するため、DOE(株主資本配当率)5%以上を目安とする方針へと変更しました。
この新方針により、企業の成長に応じた株主還元の透明性が向上し、株価変動の影響を受けにくい安定した配当が期待できます。
また、累進配当方針を採用しており、業績が悪化しても減配しない方針を掲げています。
そのため、長期投資家にとって魅力的な銘柄の一つと言えます。
魅力と気をつけたいポイント
キリンホールディングスは、飲料業界のリーディングカンパニーとしての強固な基盤を持ちつつ、医薬品やヘルスサイエンス分野への展開も進める多角化企業です。
これにより、安定した収益基盤に加え、新たな成長機会を取り込みながら、事業ポートフォリオの強化を図っている点が魅力です。
配当政策においては、DOE5%以上を目標とした方針を掲げ、累進配当も採用していることから、長期的な安定配当が期待できる体制が整っています。
一方で、自己資本比率がやや低く、配当性向が高水準にある点には注意が必要です。
ただし、営業キャッシュフローは安定しており、株主還元の持続性という点では一定の安心感があります。
長期保有を前提としたインカムゲイン重視の投資家にとって、“安定を優先した配当株”として検討しやすい選択肢のひとつといえそうです。
🌟おすすめ度(主観的評価):★★★☆☆(3.0)



ビール大手としての安定収益に加え、医薬・ヘルスサイエンス分野への展開も進めるなど、将来を見据えた多角化の姿勢がうかがえます。
配当についても、累進配当+DOE方針という“守りの仕組み”が整っており、長く持つには安心感があります。
一方で、自己資本比率や配当性向の高さにはやや慎重に見ておきたい側面もあり、積極的な増配を求めるには物足りなさを感じるかもしれません。
とはいえ、インカム狙いでじっくり保有したい人にとっては、総合力のある大型銘柄としてバランスの取れた選択肢だと思います。


双日(2768)


双日は、自動車、資源、航空機、インフラなど幅広い分野を手がける総合商社です。
ニチメンと日商岩井の統合によって誕生し、近年では航空機分野や資源関連ビジネスでの強みを発揮しています。
多角的な事業展開を行いながらも、堅調な利益成長と株主還元の強化が進む商社株の一角として注目されています。
配当・財務情報
- 株価:3,492円
- 時価総額:7,857億円
- PER:6.40倍
- PBR:0.8倍
- ROE:11.69%
- MIX係数:4.86
- 自己資本比率:31.4%
- 配当利回り:4.73%
- 配当性向:29.2%
- 累進配当:なし
- DOE採用:あり
- 株主優待:なし
- 連続増配年数:4年
- 減配回数:2回
- 増配率(1年/3年/5年/10年):11.1%/41.5%/76.5%/400.0%
- 営業CFマージン:▲0.66%
- 配当残年数:18年
高ROE・高配当利回りに加えて、増配ペースも力強く、バリューと還元の両面で評価される商社株です。
営業CFが一時的にマイナスとなっている点は留意が必要ですが、配当性向の水準や過去の実績を踏まえれば、今後の継続性にも一定の期待が持てます。
大手商社と比較しても、割安感と還元姿勢が光る中堅商社のひとつといえます。
配当政策とDOE目標


出典:双日株式会社
双日は、株主還元を積極的に行っており、DOE(自己資本配当率)4.5%以上を目標に設定しています。
累進配当方針を掲げており、安定した配当を維持しながら増配を続けることを基本方針としています。
実際、2022年度以降は連続増配を継続しており、現在の連続増配年数は3年。
さらに、自己株式取得も積極的に行っております。
株主への利益還元を重視した姿勢が明確であり、長期的な資産形成を考える投資家にとっては、安定したインカムゲインを期待できる銘柄といえます。
魅力と気をつけたいポイント
双日は、総合商社としての安定感と、成長余地を併せ持つ企業です。
資源価格の影響を受けやすい面はあるものの、自動車・航空機・インフラなど多様な事業ポートフォリオにより、リスク分散が図られている点が特徴です。
また、DOE4.5%以上を目標とした株主還元方針に加え、増配実績も豊富で、配当面でも長期投資に向いた魅力があります。
一方で、営業キャッシュフローが一時的にマイナスとなっている点には注意が必要で、足元の資金繰りや投資負担の影響を注視しておきたいところです。
とはいえ、事業の選択と集中による収益力の強化や、安定配当の継続にも積極的に取り組んでいることから、中長期での着実なリターンを狙いたい投資家にとって、有望な選択肢のひとつといえます。
🌟おすすめ度(主観的評価):★★★★☆(4.0)



高配当+高ROEというバランスの良さに加え、増配の実績もしっかり積み上がってきている点が好印象です。
大手商社に比べると知名度はやや控えめですが、その分株価水準にはまだ割安感があり、“隠れた高還元銘柄”という印象もあります。
営業キャッシュフローがマイナスなのは少し気になるものの、配当性向はまだ低めで、今後の増配余地も十分にあると感じます。
「堅実に配当をもらいながら、じっくり保有したい」そんな中長期目線の投資家には、相性の良い1銘柄だと思います。


野村不動産ホールディングス(3231)


野村不動産ホールディングスは、「プラウド」ブランドを代表とする分譲マンション事業を中心に、不動産投資や開発など幅広い領域で事業展開する総合不動産会社です。
住宅・オフィス・物流施設・都市再開発などに加え、不動産ファンド運用にも強みがあり、景気変動に左右されにくい安定収益基盤を持つプレイヤーとして注目されています。
配当・財務情報
- 株価:860円
- 時価総額:7,894億円
- PER:9.85倍
- PBR:1.0倍
- ROE:10.39%
- MIX係数:9.75
- 自己資本比率:27.9%
- 配当利回り:4.18%
- 配当性向:39.2%
- 累進配当:なし
- DOE採用:あり
- 株主優待:なし
- 連続増配年数:13年
- 減配回数:0回
- 増配率(1年/3年/5年/10年):21.4%/74.4%/112.5%/277.8%
- 営業CFマージン:▲17.66%
- 配当残年数:19年
高ROE・高配当利回りに加え、13年連続増配という安定した還元実績が目を引きます。
営業キャッシュフローは一時的にマイナスですが、長期的な増配傾向と適度な配当性向を踏まえると、株主還元の持続性には一定の信頼感があります。
不動産業界の中でも、インカム+安定性を両立させたい投資家にとって注目される銘柄です。
配当政策とDOE目標


出典:野村不動産ホールディングス株式会社
野村不動産ホールディングスは、株主への還元を重視しており、2025年3月期にはDOE(株主資本配当率)を4%下限とする方針を示しています。
また、配当性向も39.2%を目標としており、安定した配当の継続を意識した政策を打ち出しています。
総還元性向も40〜50%を維持しており、株主に対する配当の充実を図っています。さらに、利益剰余金を基にした配当の残年数は約20年と見積もられており、今後も安定的な配当が期待できる点が魅力です。
魅力と気をつけたいポイント
野村不動産ホールディングスは、不動産開発から管理・運用まで幅広く手がける総合不動産企業です。
とくに「プラウド」ブランドの分譲マンションは根強い人気があり、安定した国内需要に支えられた収益構造が強みとなっています。
また、DOE(株主資本配当率)を導入し、株主還元に対する明確な方針を示している点も魅力です。
さらに、13年連続の増配実績や、比較的長い配当残年数などを踏まえると、配当収入を重視する投資家にとって魅力的な水準にあるといえます。
一方で、営業キャッシュフローが一時的にマイナスとなっている点や、自己資本比率の低さには注意が必要です。
とはいえ、これまでの安定的な業績推移と還元姿勢から判断すれば、長期的に堅実なリターンが期待できる銘柄のひとつといえます。
🌟おすすめ度(主観的評価):★★★★☆(4.0)



13年連続の増配実績に加え、4%超の配当利回りはやはり魅力的。
配当性向はまだ抑えめで、DOE導入によって中長期の還元安定性にも期待が持てます。
不動産株の中でも「派手さはないけれど着実に報いてくれるタイプ」という印象です。
営業CFがやや気になる部分ではありますが、安定した需要とブランド力を背景に、“じっくりインカムを積み上げたい投資家”にとって、十分に候補となりうる銘柄だと思います。


クリヤマホールディングス(3355)


クリヤマホールディングスは、ゴム・合成樹脂製品を中心とした工業資材を手がける専門商社です。
産業用から建設用資材まで幅広い製品を取り扱っており、近年は尿素SCRセンサーなどの環境対応技術分野にも展開。
中小型ながら、安定した収益性と事業基盤を持ち、着実に配当実績を積み上げてきた点が特徴です。
配当・財務情報
- 株価:1,497円
- 時価総額:334億円
- PER:8.17倍
- PBR:0.7倍
- ROE:8.37%
- MIX係数:5.47
- 自己資本比率:63.7%
- 配当利回り:3.74%
- 配当性向:30.4%
- 累進配当:なし
- DOE採用:あり
- 株主優待:あり
- 連続増配年数:8年
- 減配回数:0回
- 増配率(1年/3年/5年/10年):22.2%/120.0%/175.0%/266.7%
- 営業CFマージン:8.83%
- 配当残年数:27年
配当利回りは3%台後半で、8年連続増配・減配なしの実績も安心感があります。
PER・PBRの割安感に加えて、財務の健全性や増配ペースも優秀で、中小型の安定成長株として注目されやすいポジションにある銘柄です。
配当政策とDOE目標


出典:クリヤマホールディングス株式会社
クリヤマホールディングスは、長期的な株主還元を重視しており、配当利回りは3.74%と魅力的な水準です。
また、株主資本配当率(DOE)を2.5%に設定し、安定的な配当を維持する方針を掲げています。
配当性向も30%以上を目標としており、株主にとって魅力的な配当方針を採用している点が特徴です。
魅力と気をつけたいポイント
クリヤマホールディングスは、ゴム製品や建設資材といった安定需要を基盤とした事業ポートフォリオを持ち、着実な成長を続けている中小型銘柄です。
配当面では、DOE2.5%を目標とした方針を掲げ、8年連続の増配・減配なしという実績が光ります。
配当利回りも3%台後半とまずまずで、配当残年数が27年という点からも、長期的な安定配当が期待できる設計といえるでしょう。
一方で、事業の一部は景気変動の影響を受けやすいため、景気後退局面での収益耐性には注意が必要です。
とはいえ、財務の健全性や堅実なキャッシュフローを背景に、インカム投資を重視する投資家にとっては魅力的な選択肢のひとつです。
🌟おすすめ度(主観的評価):★★★★☆(4.0)



高すぎず、でもしっかりと配当を出し続けている―そんな“堅実さ”が光る銘柄です。
PER・PBRの水準から見ても割安感があり、連続増配やDOE方針、配当残年数の長さからも、中小型株の中で配当投資に向いた安心感のある存在だと感じました。
景気の影響を受ける部分はありますが、安定需要に支えられた事業基盤がしっかりしており、長く持ってじっくり育てたいタイプの銘柄です。
派手さはなくても、着実に成果を積み重ねてくれる…そんな印象を受けます。
積水化学工業(4204)


積水化学工業は、住宅・環境インフラ・高機能プラスチックの3事業を柱に展開する大手化学メーカーです。
ユニット型住宅(セキスイハイム)や医療分野にも注力しており、景気の波を受けにくい安定した収益構造と社会課題への対応力が強みです。
技術開発力にも定評があり、ライフラインと環境を支える中長期志向の事業ポートフォリオが特徴です。
配当・財務情報
- 株価:2,467円
- 時価総額:1兆867億円
- PER:12.56倍
- PBR:1.3倍
- ROE:10.24%
- MIX係数:16.08
- 自己資本比率:60.7%
- 配当利回り:3.24%
- 配当性向:40.4%
- 累進配当:なし
- DOE採用:あり
- 株主優待:なし
- 連続増配年数:15年
- 減配回数:0回
- 増配率(1年/3年/5年/10年):6.8%/61.2%/71.7%/192.6%
- 営業CFマージン:9.19%
- 配当残年数:17年
15年連続増配・減配なしという実績に加え、財務の健全性とキャッシュ創出力の高さが際立ちます。
配当利回りは3%台とやや控えめながら、安定的な増配基調と事業ポートフォリオの強さから、長期保有に適した“守りの配当株”として魅力的な銘柄です。
配当政策とDOE目標


出典:積水化学工業株式会社
積水化学工業は、株主還元を積極的に行っており、配当利回りは3.24%です。
配当方針では、DOE(自己資本配当率)を3.0%以上に設定し、安定的な配当を維持することを目指しています。
また、連結配当性向40%以上を目標に掲げており、株主への利益還元を重視している姿勢が伺えます。
さらに、配当残年数は17年と長期的な配当継続が期待される点が魅力です。
魅力と気をつけたいポイント
積水化学工業は、住宅・環境インフラ・高機能樹脂といった生活基盤を支える領域に強みを持つ企業です。
とくにユニット型住宅や高機能樹脂製品では技術力と実績の両面で高い評価を得ており、国内外で安定した収益基盤を確立しています。
また、環境・医療といった社会的意義の高い分野にも事業を広げており、今後の成長性にも注目が集まります。
自己資本比率が高く、負債も抑えられているため、経済変動にも柔軟に対応できる堅実な財務体質も評価ポイントです。
一方で、住宅事業の一部は新設住宅着工数など外部環境に左右されやすい側面もあり、景気や政策動向による影響には一定の注意が必要です。
また、エネルギーコストや原材料価格の上昇も利益率に影響を与えるリスクとして意識しておきたいところです。
安定した配当を受け取りながら、社会的価値にも貢献したい投資家にとって、信頼性の高い選択肢といえます。
🌟おすすめ度(主観的評価):★★★★☆(4.0)



15年連続の増配と高い安定感、そして社会課題に向き合う事業内容…どれをとっても「堅実さ」と「誠実さ」を感じる企業です。
配当利回りは目立つほど高くはないものの、長期で見れば安心してインカムを積み上げられる銘柄だと思います。
DOEの明確な目標を掲げている点も好印象で、財務の健全性も十分。
「着実に配当を受け取りながら、社会に貢献する企業を応援したい」そんな思いを持つ投資家にぴったりな存在ではないでしょうか。
日本ゼオン(4205)


日本ゼオンは、合成ゴムを主力とする古河グループの化学メーカーで、特に耐油性や耐熱性に優れた特殊ゴムの分野で世界的なシェアを誇ります。
また、合成ラテックスや高機能材料などの分野にも展開しており、自動車やエレクトロニクス関連の産業を支える中核素材メーカーとして、安定したポジションを築いています。
配当・財務情報
- 株価:1,451円
- 時価総額:3,123億円
- PER:11.45倍
- PBR:0.8倍
- ROE:7.28%
- MIX係数:9.16
- 自己資本比率:66.9%
- 配当利回り:4.96%
- 配当性向:30.6%
- 累進配当:なし
- DOE採用:あり
- 株主優待:なし
- 連続増配年数:15年
- 減配回数:0回
- 増配率(1年/3年/5年/10年):25.0%/104.5%/136.8%/246.2%
- 営業CFマージン:12.40%
- 配当残年数:36年
15年連続増配・減配ゼロという安定感に加え、配当利回りは5%近くと高水準。
キャッシュフローも好調で、配当性向や自己資本比率の水準から見ても、配当の持続性・成長性ともに期待できるバランスの取れた高配当株といえます。
配当政策とDOE目標


出典:日本ゼオン株式会社
日本ゼオンは、株主還元を重視しており、DOE(株主資本配当率)4%以上を目標とした配当方針を掲げています。DOEを基準にすることで、株価の変動に左右されにくい安定的な配当が期待できます。
2024年度の年間配当は70円を予定しており、配当利回りは5.15%と高水準です。
さらに、200億円の自己株式取得を実施予定であり、株主価値向上への積極的な姿勢が見て取れます。
魅力と気をつけたいポイント
日本ゼオンは、高い財務安定性と5%近い配当利回りを兼ね備えた、長期投資向きの化学メーカーです。
15年連続の増配実績に加え、DOE(株主資本配当率)4%以上を掲げた配当方針や自己株式取得の実施など、株主還元に積極的な姿勢も大きな魅力です。
一方で、為替変動や原材料価格の上昇といった外部環境の影響を受けやすい業態である点は注意が必要です。
ただし、光学フィルムや高機能樹脂などの成長分野への投資も進めており、今後の収益拡大や事業ポートフォリオの強化にも期待が持てます。
高配当と成長のバランスを重視したい投資家にとって、安定感と将来性の両方を備えた注目の銘柄といえます。
🌟おすすめ度(主観的評価):★★★★★(5.0)



高配当・増配実績・財務の健全性―どれをとってもトップクラスの水準です。
15年連続増配で、配当利回りは5%近く。それでいて配当性向はまだ30%台という“安心して持てる高配当銘柄”だと感じます。
さらに、光学・高機能材料などの成長分野にも取り組んでおり、将来的な収益拡大も視野に入れた“守りと攻め”のバランスが絶妙。
長期投資のコア銘柄として、文句なしでおすすめできる1銘柄です。
ニチリン(5184)


ニチリンは、自動車用ホースで高いシェアを誇る独立系メーカーで、特に二輪車用の油圧ブレーキホースなどで国内外に展開しています。
海外展開にも積極的で、アジアを中心にグローバルな販売網を持ち、自動車の安全性を支える重要部品メーカーとして存在感を発揮しています。
配当・財務情報
- 株価:3,525円
- 時価総額:507億円
- PER:8.00倍
- PBR:0.8倍
- ROE:11.40%
- MIX係数:6.72
- 自己資本比率:68.4%
- 配当利回り:4.99%
- 配当性向:38.1%
- 累進配当:なし
- DOE採用:あり
- 株主優待:あり
- 連続増配年数:4年
- 減配回数:1回
- 増配率(1年/3年/5年/10年):17.3%/112.0%/193.3%/994.5%
- 営業CFマージン:12.15%
- 配当残年数:19年
ROE・配当利回りともに水準が高く、増配ペースも極めて良好です。
海外展開による成長ポテンシャルに加え、財務の健全性とキャッシュ創出力も備えており、“実力派の高配当株”として魅力のある中小型銘柄です。
配当政策とDOE目標


出典:株式会社ニチリン
ニチリンは、株主還元を重視しており、配当利回りは4.99%と高い水準にあります。
2025年にはDOE(株主資本配当率)の目標を2.5%に設定し、配当性向も2024年に38%、2025年には40%を目指しています。
これにより、安定した配当の提供が見込まれます。
魅力と気をつけたいポイント
ニチリンは、二輪車用油圧ブレーキホースで国内外に高いシェアを持つ独立系企業であり、安定した収益基盤が魅力です。
自己資本比率68.4%、ROE11.4%と、財務の健全性と収益性を兼ね備えており、中小型ながら堅実な経営がうかがえます。
配当面ではDOE2.5%を下限とする方針を掲げており、株主還元への明確な姿勢が安心感を与えるポイントです。
加えて、配当残年数が19年と長めで、安定的なインカム収入を志向する投資家にも向いている銘柄といえます。
一方で、主力製品が自動車関連であるため、業績は自動車市場や為替の影響を受けやすい側面があります。
ただし、EV分野や海外市場への展開にも積極的であり、今後の成長余地をしっかりと備えた企業でもあります。
🌟おすすめ度(主観的評価):★★★★★(5.0)



ニチリンは、財務の堅実さと高いROE、さらに安定配当に裏打ちされた株主還元姿勢がそろった、非常にバランスの良い銘柄だと感じます。
規模はやや小さいですが、営業CFマージンの高さや、10年で約10倍の増配実績(増配率994.5%)からも、企業としての体力と還元意欲の強さが伝わってきます。
さらに、DOE採用・優待あり・配当残年数19年という構成は、まさに“長く持ちたくなる”魅力のある組み合わせ。
地味ながらも、じわじわと評価されていくタイプの銘柄だと思いますし、私自身もポートフォリオの安定枠として注目しています。
ニチアス(5393)


ニチアスは、プラント向け工事を主力とするガラス土石製品メーカーです。
断熱・耐熱・防音といった高機能素材を扱い、工業用パッキンや断熱材、自動車向け部品などで高いシェアを誇ります。
特に耐熱技術に強みを持ち、火力発電や化学プラント、自動車分野など熱に関わるさまざまな業界で重要な役割を果たす企業です。
海外展開も進めており、成長分野との親和性が高いことから、今後の収益拡大にも期待がかかります。
配当・財務情報
- 株価:5,177円
- 時価総額:3,511億円
- PER:12.81倍
- PBR:1.6倍
- ROE:15.45%
- MIX係数:19.86
- 自己資本比率:74.5%
- 配当利回り:2.94%
- 配当性向:22.0%
- 累進配当:なし
- DOE採用:あり
- 株主優待:なし
- 連続増配年数:16年
- 減配回数:0回
- 増配率(1年/3年/5年/10年):10.2%/25.6%/42.1%/217.6%
- 営業CFマージン:12.18%
- 配当残年数:28年
ROEは15%台と収益力が高く、MIX係数や自己資本比率も非常に優秀です。
配当性向は22%と低めで余力があり、増配余地も感じられます。
16年連続増配・減配なしという実績に、営業キャッシュフローの安定性や配当残年数の長さも加わり、長期投資に安心感を持てる内容となっています。
配当政策とDOE目標


出典:ニチアス株式会社
ニチアスは、長期的な株主還元を重視しており、安定した配当の維持に力を入れています。
2023年3月期の第2四半期から、DOE(株主資本配当率)3.5%以上を目標に掲げており、累進配当の方針に基づいて、利益成長に応じた増配を行う姿勢が見られます。
この配当方針により、今後も株主還元に積極的な姿勢を保つことが期待されます。
魅力と気をつけたいポイント
ニチアスは、耐熱技術や高機能部品の分野で強みを発揮し、プラント工事や自動車向け製品を中心に、幅広い業界で安定した需要を確保している企業です。
とくにインフラや製造業の基盤を支える事業が中心で、景気変動の影響を受けにくい堅実な収益構造が魅力です。
自己資本比率は74.5%、ROEは15.45%と、財務の健全性と収益性のバランスも良好です。
また、DOE3.5%以上を目標とした配当方針や累進配当の姿勢からも、株主還元への強い意識が感じられます。
一方で、主力とする分野が成熟産業であるため、成長スピードはやや緩やかで、株価の大幅な上昇を狙う投資スタイルとは相性が分かれる可能性があります。
安定した配当収入を重視する投資家にとって、長期保有に向いた堅実な選択肢と言える銘柄です。
🌟おすすめ度(主観的評価):★★★★☆(4.0)



16年連続の増配、営業CFの安定性、そしてDOE3.5%超の明確な配当方針。
数字を並べて見ても、配当を重視する投資家にとって非常に好ましい条件がそろった銘柄だと感じます。
利回りこそ目立つ水準ではないものの、配当性向が低く、余力を残しながら着実に還元を積み上げてきた実績に信頼感があります。
成熟産業が中心ではありますが、こうした“硬さ”がむしろ魅力でもあり、ポートフォリオの中で安定感を支える存在として検討したい銘柄です。
ジーテクト(5970)


ジーテクトは、ホンダ系の自動車骨格部品メーカーとして知られ、主にプレス加工による自動車用構造部品を製造しています。
軽量化・高剛性化を両立させる高い技術力を強みに、EV化やグローバル展開にも積極的に取り組んでいます。
また、二輪や四輪の安全・環境性能の向上を支える精密部品製造でも実績があり、中長期的な自動車産業の変化にも柔軟に対応できる体制を整えています。
配当・財務情報
- 株価:1,712円
- 時価総額:752億円
- PER:6.37倍
- PBR:0.4倍
- ROE:6.39%
- MIX係数:2.36
- 自己資本比率:61.6%
- 配当利回り:5.26%
- 配当性向:30.1%
- 累進配当:なし
- DOE採用:あり
- 株主優待:あり
- 連続増配年数:14年
- 減配回数:0回
- 増配率(1年/3年/5年/10年):29.9%/55.4%/81.3%/262.5%
- 営業CFマージン:6.64%
- 配当残年数:42年
PER・PBRともに割安感があり、配当利回り5%超かつ増配実績が続いている点は非常に魅力的です。
営業CFマージンはやや控えめですが、配当性向が抑えられており、長期の配当維持力には十分な余力があるように見受けられます。
配当政策とDOE目標


出典:株式会社ジーテクト
ジーテクトの配当利回りは4.56%と、業界内でも高めの水準です。
また、14年間の連続増配を達成しており、株主還元を重視する姿勢が見て取れます。
さらに、2025年3月期からは配当性向を30%以上とし、2031年3月期にはDOE(株主資本配当率)を3.0%に設定する計画を掲げています。
この方針により、今後も安定した配当が期待できる点が魅力です。
魅力と気をつけたいポイント
ジーテクトは、自己資本比率61.6%、配当利回り5.26%と、財務の安定性と株主還元のバランスに優れた企業です。
ホンダ系の自動車骨格部品メーカーとして堅実な収益基盤を持ち、長期的に安定した配当が期待できます。
配当方針としてDOE3.0%を下限に設定しており、減配リスクを抑えながらも株主還元を継続する姿勢が見てとれます。
さらに海外展開も積極的に進めており、グローバルな成長ポテンシャルを持っている点も魅力のひとつです。
一方で、主力事業が自動車業界に集中しているため、EVシフトや景気変動、原材料高騰などの影響は無視できません。
外部環境による収益の波には注意が必要です。
安定配当を重視しつつ、中長期で着実なリターンを目指したい投資家に適した銘柄といえます。
🌟おすすめ度(主観的評価):★★★★★(5.0)



ジーテクトは、高配当利回り・連続増配・DOE基準の安定方針といった魅力がそろった、まさに“インカム重視”の理想形といえる存在です。
営業CFマージンやROEはやや控えめですが、15期連続増配かつ減配なし、配当残年数42年というデータが示すように、還元の継続性については非常に信頼できます。
自己資本比率も高く、財務基盤も堅実。さらにグローバル展開の余地もあり、守りだけでなく成長の可能性も感じさせる点が嬉しいところです。
“長期で配当を受け取りながら安心して持てる銘柄”を探している方には、間違いなく注目してほしい企業です。
新晃工業(6458)


新晃工業は、業務用空調機の開発・製造を中心に展開する機械メーカーです。
大型機種や特殊用途向け製品に強みを持ち、中国やタイなど海外市場への展開にも注力しています。
さらに、ビルメンテナンスや空調管理などのサービス事業も手がけており、ストック型の収益源も備えています。
配当・財務情報
- 株価:1,202円
- 時価総額:930億円
- PER:11.48
- PBR:1.4
- ROE:12.83%
- MIX係数:15.96
- 自己資本比率:71.7%
- 配当利回り:4.16%
- 配当性向:39.6%
- 累進配当:なし
- DOE採用:あり
- 株主優待:あり
- 連続増配年数:3年
- 減配回数:1回
- 増配率(1年/3年/5年/10年):42.9%/199.9%/158.7%/551.9%
- 営業CFマージン:10.07
- 配当残年数:17年
ROEは12%超と高水準で、収益性の高さがよく表れています。
また、自己資本比率は70%を超えており、財務の健全性も申し分ありません。
配当利回りは4%台前半と魅力的で、過去の増配実績や配当性向を見ても、今後も安定した株主還元が期待できる水準といえそうです。
さらに、営業CFマージンも10%超と堅調で、本業からの資金創出力にも安心感があります。
配当政策とDOE目標


出典:新晃工業株式会社
新晃工業は株主還元にも積極的で、配当利回りは4.13%と適度な水準です。
また、2025年からの新しい中期計画「move. 2027」では、DOE(株主資本配当率)を3.5%を下限とし、配当性向を50%まで引き上げる方針を示しています。
このような配当政策は、長期的な株主にとって魅力的な選択肢といえます。
魅力と気をつけたいポイント
新晃工業は、空調機器分野で高い専門性を持ち、業務用の中大型機器に特化することで安定した収益基盤を築いています。
財務面も堅調で、自己資本比率は70%超、営業CFマージンも10%超と、長期保有に安心感のある企業です。
中期経営計画「move. 2027」では、配当性向50%・DOE 3.5%を目標に掲げ、株主還元強化の姿勢が明確です。
さらに、配当残年数は17年と余力も十分で、長期的な配当の持続可能性が高い点も魅力といえます。
一方で、直近では海外展開や建物管理事業への多角化も進めており、今後の投資負担や競争環境には一定の注視が必要です。
また、過去に減配の実績がある点は、慎重に見ておきたい材料の一つです。
🌟おすすめ度(主観的評価):★★★★☆(4.0)



空調機器に特化した安定感のある事業ポートフォリオと、財務の健全さがとても好印象でした。
とくに、自己資本比率や営業CFマージンといった基礎体力がしっかりしている点は、長期投資を考えるうえで心強い材料です。
また、増配率の高さや、配当残年数の長さからも、「配当を長く安心して受け取りたい」というニーズに応えてくれる企業だと感じます。
一方で、過去に一度だけ減配実績があることや、今後の成長に向けた投資戦略とのバランスには、一定の注意も必要かもしれません。
とはいえ、DOEを軸に据えた明確な株主還元方針を掲げている点は頼もしく、高配当×安定志向の中小型株を探している方にとっては、注目に値する1社だと思います。
MCJ(6670)


「マウスコンピューター」ブランドで知られるパソコン製造・販売の専業企業です。
近年はゲーミングPCやエンタメ向け製品にも注力しており、周辺機器や総合エンタメ事業への展開も広がっています。
配当・財務情報
- 株価:1,314円
- 時価総額:1,337億円
- PER:10.70倍
- PBR:1.4倍
- ROE:16.68%
- MIX係数:15.41
- 自己資本比率:66.6%
- 配当利回り:3.35%
- 配当性向:30.1%
- 累進配当:なし
- DOE採用:あり
- 株主優待:あり
- 連続増配年数:0年
- 減配回数:2回
- 増配率(1年/3年/5年/10年):▲24.6%/34.4%/83.0%/760.0%
- 営業CFマージン:8.49%
- 配当残年数:12年
ROEは16%台と非常に高水準で、効率的に利益を上げていることがわかります。
自己資本比率も66%超と堅調で、財務の安定感も十分です。
配当利回りは3%台前半ながら、過去10年の増配率は760%と圧巻で、長期的には着実に株主還元を強化してきた姿勢がうかがえます。
なお、直近1年は減配となっていますが、これは前期の記念配当の影響によるもので、実質的な配当維持と見てよい内容です。
営業CFマージンも8%台と安定しており、本業の稼ぐ力にも一定の安心感があります。
配当政策とDOE目標


出典:株式会社MCJ
MCJは、株主還元を重視しており、配当利回りは3.35%で安定しています。
配当性向は30%から40%程度を目標としており、安定的な配当を維持しつつ、株主への還元を大切にする姿勢が見て取れます。
さらに、DOE(株主資本配当率)を4.5%程度に設定し、株主価値を重視した配当方針を掲げています。
業績が安定している場合には増配を優先する方針もあり、株主にとって魅力的な企業といえます。
魅力と気をつけたいポイント
MCJは、「マウスコンピューター」ブランドを軸に、パソコンや周辺機器の製造販売を中心とした多角的な事業展開を行っています。
エンタメやIT関連の分野にも広がりを見せており、安定した成長と事業基盤の強さが魅力です。
特に、ROEは16%超と非常に高く、資本効率の高さが際立っている点は注目に値します。
また、自己資本比率も66%を超えており、財務の健全性と収益力を両立している点も安心材料といえます。
なお、直近の配当額はやや減少していますが、これは前期の記念配当による一時的な反動であり、実質的な減配ではありません。
むしろ、これまでの増配実績や配当性向の水準から見て、株主還元に対する姿勢は堅調に継続している印象です。
🌟おすすめ度(主観的評価):★★★☆☆(3.0)



高ROEと安定した財務基盤を兼ね備えており、事業の成長性と株主還元のバランスが取れた企業だと感じました。
特に、パソコンや周辺機器に加え、エンタメ領域にも手を広げる多角展開は、今後の市場変化への柔軟性という意味でも好印象です。
過去の増配実績は非常に優秀で、長期ではしっかりと株主に報いてきた履歴があります。
記念配当の影響で直近の配当額が減って見えるものの、これは一時的な要因であり、基本的には安定的な還元姿勢を維持していると見てよいと思います。
一方で、業界の競争が激しいぶん、短期的な業績変動には注意したいところもあります。
総じて、成長余地もありつつ、還元にも期待したい「中堅どころ」の1社という印象です。
コンドーテック(7438)


産業資材を専門に扱う商社で、足場吊りチェーンや結合金具などの仮設資材、鉄構資材、輸入商品などに強みを持つ企業です。
特に、建設現場や土木向けの資材分野で豊富な取り扱いと安定供給体制を持っており、インフラ分野を支える存在となっています。
配当・財務情報
- 株価:1,548円
- 時価総額:408億円
- PER:11.82倍
- PBR:1.1倍
- ROE:9.32%
- MIX係数:12.88
- 自己資本比率:55.7%
- 配当利回り:3.36%
- 配当性向:35.9%
- 累進配当:なし
- DOE採用:あり
- 株主優待:なし
- 連続増配年数:13年
- 減配回数:1回
- 増配率(1年/3年/5年/10年):15.0%/43.8%/58.6%/130.0%
- 営業CFマージン:7.38%
- 配当残年数:30年
ROEは9%台と堅実な水準で、利益効率も一定の安定感があります。
自己資本比率は55%超で、資本構成もバランスが取れている印象です。
配当利回りは3%台中盤で、過去10年の増配率130%という長期的な実績も魅力です。
営業CFマージンも7%超と安定的で、継続的な還元を支える土台がしっかりしている企業といえます。
配当政策とDOE目標


出典:コンドーテック株式会社
コンドーテックは株主還元を重視し、配当利回りは3.36%と魅力的な水準を維持しています。
また、連結純資産配当率(DOE)4.0%以上の目標を掲げており、長期的な株主還元に積極的です。
配当性向も安定した水準で維持されており、利益の安定的な還元が期待できます。
さらに、配当残年数は33年と見積もられており、今後も安定した配当の継続が期待されます。
魅力と気をつけたいポイント
コンドーテックは、産業資材や建設用資材の卸売を中心に、インフラ関連の安定需要を背景に堅実な収益を確保している企業です。
特に、足場や吊りチェーンといった仮設資材に強みを持ち、現場での信頼性と供給力に定評があります。
財務面では、自己資本比率が55%超と安定しており、経済変動への耐性も一定水準を備えている点が魅力です。
また、増配を継続してきた実績もあり、中長期での安定した還元を期待しやすい銘柄といえます。
一方で、事業特性上、建設投資の動向や輸入資材の価格変動に左右されやすい面があるため、市況の変化を継続的にチェックする視点も必要です。
それでも、インフラ需要の底堅さを見込む投資家にとっては、安定性と実直さを兼ね備えた選択肢となりそうです。
🌟おすすめ度(主観的評価):★★★☆☆(3.0)



一言でいえば、地味だけど堅実、そして信頼できるタイプの銘柄という印象です。
派手さはありませんが、13年連続増配の実績や、30年分の配当残年数という数字からも、配当を着実に届けてくれる安定感が感じられます。
財務面でも自己資本比率は50%超、営業CFマージンも安定していて、経済環境に大きく振り回されにくい構造になっている点は評価できます。
また、インフラ関連の需要は急激に落ち込むことが少なく、事業基盤としても安心感があります。
その一方で、資材価格や輸入コストの変動といった外部要因の影響はあるため、成長性というよりは堅実なインカム狙いのポジションで捉えるのが良さそうです。
「あまり上下せず、じっくり配当を積み上げたい」そんな方にちょうどよい銘柄ではないでしょうか。
DAIKO XTECH(8023)


富士通の特約店として、情報通信機器の販売とシステム開発を手がける専門商社です。
近年はクラウド関連事業にも注力しており、ITインフラとシステム提案の両軸で成長を図る構造が特徴です。
配当・財務情報
- 株価:984円
- 時価総額:136億円
- PER:7.57倍
- PBR:1.0倍
- ROE:13.82%
- MIX係数:7.49
- 自己資本比率:47.2%
- 配当利回り:3.66%
- 配当性向:24.6%
- 累進配当:なし
- DOE採用:あり
- 株主優待:あり
- 連続増配年数:4年
- 減配回数:0回
- 増配率(1年/3年/5年/10年):10.3%/113.3%/220.0%/(空白)
- 営業CFマージン:3.09%
- 配当残年数:27年
ROEは13%台と高く、効率的な資本活用ができている企業といえます。
PERは7倍台、PBRは1倍と割安感がある水準で、バリュエーション面でも注目に値します。
配当利回りは3.6%台で、過去5年の増配率220%と、しっかり株主還元を積み上げてきた実績も好印象です。
営業CFマージンはやや控えめですが、配当性向が24%台と無理のない範囲で、還元余力のバランスも良好です。
配当政策とDOE目標


出典:DAIKO XTECH株式会社
DAIKO XTECHは株主還元に積極的で、配当利回りは3.66%と魅力的な水準です。
2024年3月期よりDOE(株主資本配当率)を2.0%以上とする方針を採用し、安定的な配当を維持する意向を示しています。
また、配当性向は20%前後に設定されており、今後も安定した配当を続ける方針です。
魅力と気をつけたいポイント
DAIKO XTECHは、富士通の特約店として情報通信機器の販売とシステム開発の両面を展開しており、クラウド分野にも力を入れることで安定した収益基盤を構築しています。
とくにROEは13.82%と高水準で、資本を効率よく活用している点は大きな魅力です。
財務面では、自己資本比率47.2%と適度なレバレッジを効かせた健全なバランスが維持されており、成長投資と安定性のバランスがとれた経営スタイルがうかがえます。
また、配当性向は24.6%と無理のない水準にとどまりつつ、過去5年で220%の増配実績があり、株主還元にも積極的な姿勢が感じられます。
一方で、営業CFマージンはやや控えめで、今後の成長に伴うキャッシュ創出力の向上が課題となるかもしれません。
とはいえ、IT・クラウド分野の構造的な需要増の波に乗れる企業であり、長期での成長性と安定した配当を求める投資家にとって魅力的な選択肢といえます。
🌟おすすめ度(主観的評価):★★★☆☆(3.0)



ITインフラやクラウドといった分野に関わりつつも、派手さよりも堅実な経営姿勢が光る企業という印象です。
ROEは13%台と高く、効率よく利益を出している点は好材料。
PERやPBRを見ても、わりと割安感のある水準にあるのではと感じました。
また、配当性向が低めで余力を残している一方、過去の増配実績はしっかりしており、今後の還元拡大にも期待が持てそうです。
営業CFマージンはやや控えめですが、成長分野に足場を持っている点は心強い要素です。
バリュー寄りに見ながら、中長期でじっくりインカムを積み上げていきたいという方に合いそうな1社です。
日新(9066)


企業や官公庁向けの人材派遣・業務請負を主軸とする企業で、アウトソーシングやコールセンター運営にも強みを持っています。
安定した顧客基盤と多様な業務支援サービスにより、景気変動に左右されにくいビジネスモデルを構築しています。
配当・財務情報
- 株価:8,080円
- 時価総額:1,253億円
- PER:(空白)
- PBR:1.4倍
- ROE:11.86%
- MIX係数:(空白)
- 自己資本比率:52.1%
- 配当利回り:(空白)
- 配当性向:27.5%
- 累進配当:なし
- DOE採用:あり
- 株主優待:なし
- 連続増配年数:4年
- 減配回数:0回
- 増配率(1年/3年/5年/10年):81.8%/233.3%/257.1%/400.0%
- 営業CFマージン:6.70%
- 配当残年数:0年
ROEは11%台と良好な水準で、安定した利益体質がうかがえます。
自己資本比率も50%超を維持しており、財務面でも安心感のある構造です。
PERや配当利回りは非表示ながら、過去の増配実績が非常に高く、10年間で配当額を4倍にした記録は注目に値します。
営業CFマージンも6%超と堅調で、持続的な配当の源泉として十分なキャッシュ創出力を持っていることがわかります。
配当政策とDOE目標


出典:株式会社日新
日新は、株主還元に積極的で、配当利回りは4.20%と高水準です。
さらに、2027年3月期までにDOE(株主資本配当率)を4.0%以上に引き上げる計画を掲げ、配当安定性の強化に努めています。
魅力と気をつけたいポイント
日新は、官公庁や企業向けの人材派遣・業務請負を中核とし、アウトソーシングやコールセンター事業にも強みを持つ企業です。
公共性の高い業務を多く担っていることから、景気変動の影響を受けにくいビジネスモデルが構築されている点が魅力です。
また、自己資本比率は52.1%と良好で、財務の健全性にも安心感があります。
配当についても、過去10年間で400%の増配実績を誇り、配当性向も27.5%とバランスの取れた水準を維持しており、長期的なインカムゲインを期待する投資家にとって注目に値する銘柄です。
一方で、事業の性質上、大きな成長加速を見込みにくい点や、利益率の低さには注意が必要です。
また、コールセンターなどの人材依存度が高い事業では、人件費の上昇や人手不足の影響を受けやすい側面もあるため、コスト構造の変化には注視が必要です。
🌟おすすめ度(主観的評価):★★★☆☆(3.0)



安定した事業基盤と、地道な増配姿勢が印象的な企業です。
派手な成長こそないものの、官公庁や大手企業を取引先とした人材サービス事業は、景気に左右されにくい安心感があります。
公共性の高い業務を担っているぶん、ビジネスの持続性という意味ではかなり堅実なタイプだと思います。
配当面も魅力で、10年で4倍の増配という実績は見逃せません。
配当性向もまだ余力があり、今後も無理のないペースで還元が続いていきそうな印象です。
その一方で、利益率が高いわけではなく、大きな成長は期待しすぎないほうがよさそうです。
ただ、安定志向で長期保有を考えるインカム投資家にとっては、じわじわと配当を積み上げていける、ちょうどいい立ち位置の銘柄かもしれません。
バローホールディングス(9956)


中部エリアを地盤とする食品スーパーの中堅企業で、地域密着型の店舗運営を強みとしています。
食品以外にも、ドラッグストアやホームセンター、スポーツクラブなどを展開し、多角化によって収益基盤の安定化を図っています。
配当・財務情報
- 株価:2,435円
- 時価総額:1,315億円
- PER:9.16倍
- PBR:0.8倍
- ROE:8.15%
- MIX係数:6.87
- 自己資本比率:37.2%
- 配当利回り:2.87%
- 配当性向:26.4%
- 累進配当:あり
- DOE採用:あり
- 株主優待:あり
- 連続増配年数:14年
- 減配回数:0回
- 増配率(1年/3年/5年/10年):4.6%/21.4%/30.8%/106.1%
- 営業CFマージン:4.42%
- 配当残年数:39年
ROEは8%台とまずまずの水準で、堅実な利益体質が感じられます。
自己資本比率はやや低めですが、PBRが0.8倍と割安感がある点は投資妙味につながります。
また、14年連続増配・減配なしという実績と、配当残年数39年という厚い余力は、長期保有を検討するうえで大きな安心材料です。
配当性向も26%台と余裕があり、今後の増配余地にも期待が持てます。
配当政策とDOE目標


出典:株式会社バローホールディングス
バローホールディングスは株主還元に積極的で、配当利回りは2.87%と安定した水準です。
2025年3月期より新たにDOE(株主資本配当率)を導入し、2%を下限として配当を継続的に行う方針を示しています。
また、配当性向も25%から30%へ引き上げる計画があり、株主還元を強化していく姿勢が見られます。
累進配当を14期連続で継続している点も、配当の安定性を重視していることがうかがえます。
加えて、利益剰余金を基にした配当の残年数は約40年と見積もられており、今後も長期にわたり安定した配当が期待できる点が魅力です。
魅力と気をつけたいポイント
バローホールディングスは、中部地方を中心に食品スーパーを展開し、地域に根ざした営業基盤を築いています。
さらに、ドラッグストアやホームセンター、スポーツクラブなどへの展開により、業態を多角化しながら安定した収益基盤を形成しています。
地域密着型のビジネスであることから、景気や外部環境の変動に対して比較的強い構造を持っている点も安心材料です。
また、DOE方針を導入しつつ、配当性向も抑えめに保ちながら、14年連続で増配を継続している点は、株主還元への意識の高さを感じさせます。
一方で、自己資本比率はやや低めで、業態上、利益率も高いとは言えない点には注意が必要です。
それでも、連続増配の実績や配当余力の厚さをふまえると、安定したリターンを求める中長期の投資先として十分に検討に値する銘柄といえます。
🌟おすすめ度(主観的評価):★★★★☆(4.0)



とても“地に足がついた”銘柄という印象です。
中部地域に根ざしたスーパー経営を軸に、ドラッグストアやホームセンターなどへも着実に展開しており、地域密着と多角化をうまく両立している企業だと感じました。
配当面では、14年連続増配・減配なしという実績がまず安心材料ですし、DOE導入や累進配当方針といった株主への姿勢も一貫しています。
配当性向がまだ20%台ということを考えると、今後もじわじわと増配が期待できそうな余地があるのも魅力です。
一方で、自己資本比率や利益率の水準はそこまで高くなく、急成長というよりは堅実さに重きを置くタイプ。
そのぶん、インカム目的で長く持ちたい人にはぴったりな安定銘柄だと思います。
DOE銘柄に投資する際のリスクと注意点


DOE銘柄への投資は、安定的な株主還元が期待できる一方で、いくつかのリスクも存在します。
特に、業績が悪化した際には、DOE基準によって配当が一時的に減少する可能性があります。
そのため、安定した配当を望む投資家にとって、会社の収益力や財務状況の確認が重要です。
業績が悪化した際の配当への影響
DOE(株主資本配当率)は、株主資本を基準とした配当を行う仕組みですが、業績が悪化すると、株主資本が縮小し、配当額が減少する可能性があります。
また、利益が十分に確保できない場合でもDOEを基準にした配当を維持しようとすると、企業が資本を削る形で配当を支払うケースも考えられ、将来の成長に必要な資金が減少するリスクもあります。
財務体制が変化する可能性
配当方針の変更や財務体制の見直しが行われると、DOE銘柄としての魅力が低下する可能性もあります。
企業がDOEの目標値を引き下げたり、別の指標を採用したりすると、株主還元の姿勢に変化が生じる場合があります。
このような財務体制の変化にも注意を払うことが大切です。
リスク管理のポイント
DOE銘柄におけるリスク管理の一つの方法として、分散投資が挙げられます。
DOE銘柄を含め、異なる業種や銘柄に分散投資することで、業績悪化や配当減少によるリスクを抑えることができます。
また、長期的な成長が期待できる銘柄をポートフォリオに組み込むことで、安定的なリターンを得られる可能性が高まります。
まとめ
近年、株主への還元姿勢を見極めるうえでDOE(株主資本配当率)に注目が集まっています。
DOEは、株主資本に対する配当額の比率を示す指標であり、企業がどれだけ安定的に利益を還元しようとしているかを判断するのに役立ちます。
配当利回りが株価の影響を受けやすいのに対し、DOEは企業の資本構成を基準にしているため、株価の変動に左右されにくいという特長があります。
このため、安定配当を重視する投資家にとって、有効な判断軸の一つとなっています。
本記事では、そうしたDOEを採用する企業に焦点を当て、長期で配当が期待できる銘柄の特徴や選び方をご紹介しました。
DOEの意味や企業側の方針を理解しておくことで、長期的な資産形成に向けた判断がよりしやすくなるはずです。
今後もDOEをひとつの視点として活用しつつ、安定したリターンとリスク管理の両立を意識した投資戦略を構築していただければと思います。
当ブログは、投資の勧誘を目的としたものではありません。
投資に際しては、ご自身の判断と責任で行っていただくようお願い申し上げます。



最後まで読んでいただき、ありがとうございました!