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INPEX(1605)の銘柄分析-LNGビジネスと脱炭素への挑戦で注目のエネルギー企業

INPEX(1605)は、エネルギー業界で幅広い事業を展開する、日本を代表するエネルギー企業です。
世界各地での天然ガス・石油の探鉱・生産・販売を中心に、LNG(液化天然ガス)事業の拡大にも注力しています。
特に、オーストラリアのイクシスLNGプロジェクトやアバディLNGプロジェクトは、INPEXの成長を牽引する重要な柱となっています。
また、同社は脱炭素社会の実現に向けた取り組みとして、水素・CCUS(炭素回収・貯留)事業など、新たなエネルギーソリューションの開発にも積極的です。

2024年12月期第2四半期の売上高は前年同期比10.4%増の1兆1,908億円、営業利益は15.3%増の7,000億円と、堅調な業績を維持しています。
特に、円安や販売数量の増加が業績を押し上げましたが、探鉱費の増加などにより、親会社の所有者に帰属する中間利益は前年同期比14.5%減の2,125億円となりました。

この記事では、INPEXの事業内容や財務状況について詳しく解説します。
INPEXの強みや成長戦略を理解し、今後の投資判断にお役立ていただければ幸いです。

目次

INPEXの基本情報

画像引用:株式会社INPEX公式ページ

投資を考えるときには、まず企業の基本情報をしっかりと知ることが大切ですよね。
その企業がどんな事業をしているのか、また業界でどんな位置にいるのかを理解することで、より安心して投資判断ができるようになります。
今回は、エネルギー市場で活躍するINPEXについて、会社の概要や業界での立ち位置などをわかりやすくご紹介していきます。

会社概要

画像引用:会社説明会資料

INPEX(1605)は、石油・天然ガスを中心に、クリーンエネルギーへの取り組みも進める日本のエネルギー企業です。
INPEXの生産量は、日本の年間エネルギー消費量の約1割を占め、国内外でのエネルギー供給を支えています。
さらに、海外での事業活動が全体の9割を占めており、グローバルに活躍する企業です。
2023年12月期の当期利益は3,217億円、探鉱前営業キャッシュフローは1兆687億円を達成。
時価総額は約3兆円(2024年6月時点)に達し、安定した財務基盤を持ちながら、持続可能なエネルギーへの移行をリードしています。
INPEXは、エネルギーの未来を切り拓く企業として、その動向に注目が集まっています。

主な事業内容

画像引用:会社説明会資料

INPEX(1605)は、石油・天然ガス、LNG、ネットゼロ事業の各分野で事業を展開するエネルギー企業です。
石油・天然ガス事業では、国内外での探鉱・開発・生産・供給を行い、エネルギーの安定供給を支えています。
LNG事業では、オーストラリアのイクシスLNGプロジェクトやアバディLNGプロジェクトを通じて、持続可能なエネルギー供給を目指しています。
また、ネットゼロ事業では、水素・アンモニアの製造、CCUS(炭素回収・貯留)によるCO2排出削減、再生可能エネルギーの強化、カーボンリサイクルの推進、新たな事業領域の開拓、森林保全活動など、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを加速させています。
INPEXは、エネルギーの安定供給と持続可能な社会の実現を目指し、これらの多角的な事業で成長を続けています。

業界内での位置付け

画像引用:会社説明会資料

INPEX(1605)は、エネルギー業界で独自の地位を確立し、上流部門で強い競争力を持つ企業です。
石油・天然ガスの探鉱・開発・生産を中心とした事業活動により、国内外で安定した供給力を誇っています。
特に、LNG(液化天然ガス)の分野では、オーストラリアのイクシスLNGプロジェクトやアバディLNGプロジェクトで世界的なシェアを拡大しています。
また、INPEXは、他の石油会社が中流から下流(精製、輸送、販売)を中心に活動する中、上流部門に特化した戦略を展開し、高い専門性で業界をリードしています。
環境問題にも積極的に取り組み、水素やCCUS(炭素回収・貯留)技術の開発を進めることで、持続可能な社会の実現を目指しています。
今後もINPEXは、上流事業でのトップシェアをさらに強化しつつ、クリーンエネルギーへの移行を推進し、グローバルな競争力を維持しながら、持続的な成長を目指していきます。

株価情報(2024年9月14日時点)

2024年9月14日時点のINPEX(1605)の株価情報を確認してみましょう。

株価と時価総額

INPEXの株価は1,866円時価総額は2兆3,502億円となっています。
この規模から、INPEXがエネルギー業界で確かなポジションを築いていることがわかりますね。
資源開発の最大手として、安定した企業価値を保っています。

PER(株価収益率)

PERは6.51と、比較的低めの水準です。
市場からは「割安」と評価され、これからの成長が期待される銘柄として注目を集めています。

ROE(自己資本利益率)

ROEは9.39%で、効率的に利益を生み出し、株主にも良いリターンを提供しています。
この数値を見ると、経営の質の高さを感じさせますね。

自己資本比率

自己資本比率は63.5%と、しっかりした財務基盤を持っています。
これにより、外部の経済変動にも強く、安定感のある企業だと言えます。

配当利回り

配当利回りは4.61%で、株主への還元も積極的です。
安定した配当が魅力となり、配当を重視する投資家にとっても注目の銘柄です。

株主優待

画像引用:会社説明会資料

INPEX(1605)は、株主優待として以下の2つの特典を提供しています。

1.オリジナルQUOカード

INPEXは、400株以上を1年以上保有している株主に対して、毎年異なるデザインのオリジナルQUOカードを4種類の中から進呈しています。
カードには、INPEXに関連するさまざまなイメージが描かれており、コレクションとしての楽しみもあります。

2.施設現場見学会

12月末時点で100株以上を保有する株主を対象に、抽選でINPEXの施設現場見学会に参加できる機会が提供されます。
見学会では、LNGタンクやINPEXミュージアムなど、通常は見られない施設を訪れることができ、INPEXの事業をより深く理解することができます。

しけなぎ

INPEXは、堅実な経営と強い財務基盤を持ち、エネルギー分野でのリーダーシップを維持しています。高い配当利回りや健全な自己資本比率もポイントで、長期的な視点から見ても安心感のある企業ですね。

財務パフォーマンス


INPEXは、石油・天然ガス、LNG、そしてネットゼロに向けた様々な取り組みなど、多岐にわたる分野で事業を展開し、堅実な財務パフォーマンスを維持しています。
このセクションでは、INPEXの最新の業績、財務状況、および株主還元の取り組みについて詳しくご紹介していきます。

業績

INPEXの最近の業績は、売上高の堅調な推移と利益率の改善が見られます。
2024年度の売上高は2,254,000百万円と引き続き高水準を維持しており、安定した成長を示しています。

営業利益率は2023年度の14.86%から2024年度には15.97%に回復し、堅調な業績を支えています。純利益率も安定しており、今後も引き続き堅実な成長が期待されています。

これらの結果から、INPEXは市場の変動があっても、しっかりと成長路線を維持していることがわかります。

財務

INPEXは、健全な財務状況を維持しています。
2024年度の自己資本比率は62.5%と、過去数年間での改善を反映しており、安定した財務基盤を示しています。
この数値は、INPEXが外部の経済変動にも強い企業であることを表しています。

純資産は2024年度に約4,494,033百万円に達し、引き続き成長を見せています。
一方で負債の増加は見られるものの、自己資本比率の向上により、全体としてバランスの取れた財務運営を続けています。

INPEXは、この強固な財務基盤をもとに、今後も持続可能な成長と新たな投資を進める姿勢を明確にしています。

株主還元

配当政策

画像引用:株式会社INPEX公式ホームページ

INPEXは、株主還元に対する取り組みを強化し、安定的な配当を基本としつつ、業績の成長に応じて還元を拡大しています。
総還元性向の目標は40%以上とし、事業環境や財務体質、経営状況を踏まえて、自己株式の取得も実施する方針です。

また、短期的に事業環境が悪化した場合でも、1株当たり年間配当金の下限を30円とすることを明確にしており、株主に対する安定した還元を重視しています。

配当

INPEXの配当は、業績に応じた柔軟な対応が特徴です。
2024年の配当は74円で、前年の62円から増加しています。
過去の推移を見ると、2016年から増配傾向があり、2018年には18円、2021年には48円と順調に増加しています。
2023年にはさらに74円まで増配が続いています。

配当性向も2022年には17%、2023年には30%と、株主還元の姿勢を強化していることが見て取れます。
今後もINPEXは、安定した配当を通じて株主への還元を重視し、持続的な成長を目指していることがうかがえます。

自己株式の取得について

画像引用:自己株式取得に係る事項の決定に関するお知らせ

INPEXは、2024年8月9日から2024年8月31日までの期間において、東京証券取引所で普通株式の自己株式取得を実施しました。
取得した株式の総数は7,056,200株で、取得総額は15,171,799,950円となりました。

今回の自己株式取得により、INPEXは株主価値の向上と資本効率の改善を目指しており、今後も安定した成長と還元策の強化を進めていく姿勢がうかがえます。

しけなぎ

INPEXの多角的な事業展開と財務の安定感が頼もしいですね。
特に、株主還元に積極的な姿勢が感じられるので、これからも注目したい企業です。

項目別の分析と総合評価

INPEXの強みや可能性をより具体的に理解するために、さまざまな観点から評価を行いました。
最新の情報に基づいて、INPEXの魅力と今後の成長ポイントを整理していくと、より全体像がつかめると思います。

安全性 – A

INPEXは、強固な財務基盤を持ち、外部環境の変動にも安定して対応できる力があります。
財務の安定性が際立っており、投資家にとって安心感のある企業です。

成長性 – C

成長のスピードは少し控えめですが、新しい市場への拡大や技術革新の取り組みによって、今後の成長が期待されます。

収益性 – S

収益性は非常に高く、優れた利益率を維持しています。
収益性の高さは、INPEXの事業の強みを裏付ける要素となっています。

効率性 – C

効率性には課題があり、改善の余地が見られます。
資本効率の向上と運営の効率化が、今後の重要なポイントです。

還元性 – S

株主還元のスコアは最高評価で、配当や自己株式の取得など、株主に対する積極的な還元姿勢が評価されています。
これは、投資家にとって大きな魅力です。

割安性 – B

割安性の評価は中程度で、現在の株価は妥当な水準にありますが、将来的な事業展開によっては、再評価の可能性があります。

総合評価 – A

INPEXの総合評価はAです。
強固な財務基盤と高い収益性、積極的な株主還元が評価される一方で、成長性と効率性の向上に期待が寄せられています。
長期的な視点での投資先として有望であり、今後の成長と発展が楽しみな企業です。

しけなぎ

INPEXは堅実な財務基盤と高い収益性が光ります。株主還元も充実しており、投資先として安心感があります。

同業他社比較

INPEXと他の主要なエネルギー企業を比較すると、いくつかの注目すべきポイントが見えてきます。

スクロールできます
銘柄名時価総額(億円)株価PERPBRROE配当利回り配当性向自己資本比率有利子負債比率連続増配減配回数優待銘柄累進配当DOE採用銘柄
INPEX23,5021,8666.510.479.394.61%29.8%63.5%25.5%32
ENEOSホールディングス22,29873510.360.659.472.99%23.0%31.8%87.4%00
出光興産13,74798710.840.7113.393.24%14.1%35.9%72.1%12
コスモエネルギーホールディングス6,5257,3858.181.0514.544.06%32.0%27.1%103.0%30
主要エネルギー企業の財務比較テーブル(※時価総額順)

INPEXの時価総額は23,502億円で、同業の中でもトップクラスの規模を誇っています。
ENEOSホールディングス(22,298億円)と比較しても少し上回っており、業界内での確固たる地位を感じさせます。

まとめ

この記事では、INPEXの財務状況、成長性、そして株主還元の姿勢について詳しく見てきました。
これを通じて、INPEXが持つ多くの魅力が改めて確認されました。
特に、強固な財務基盤と株主重視の姿勢が際立っており、長期的に見ても魅力的な企業と感じます。

INPEXの魅力
  • 強固な財務基盤:INPEXは自己資本比率が63.5%と高く、安定した財務状況を維持しています。この安定性が、外部環境の変動にも対応できる強さを支えています。
  • 株主重視の姿勢:配当利回り4.61%や自己株式の取得など、株主に対する積極的な還元が見られます。投資家にとっては、信頼できる企業として評価されています。
  • 高い収益性:収益性のスコアが高く、事業の効率性も改善されています。これにより、INPEXは安定した利益を生み出す力を持っています。
  • 柔軟な成長戦略:新しい市場への参入や技術革新に取り組んでおり、成長機会をしっかりと捉えています。今後の成長に期待が寄せられます。

INPEXは今が買い時?しけなぎの評価点数

これらの魅力を踏まえ、私が考えるINPEXの総合点数は82点です。
この総合点数は、以下の5つの評価項目を基に、それぞれの点数を倍にして算出しています。

しけなぎの評価点数
  • 安定性(9/10点): 高い自己資本比率があり、経済変動にも強い。
  • 株主還元(8/10点): 積極的な配当と株主還元策が評価される。
  • 成長性(6/10点): 成長のスピードは控えめだが、将来的な展望が期待できる。
  • 収益性(9/10点): 収益性が非常に高く、事業の強みを反映している。
  • 割安性(7/10点): 現在の株価にはまだ割安感があり、再評価の可能性がある。

各項目の点数を倍にして合計すると、INPEXの総合点数は82点になります。

  • 90〜100点: 今がまさに買い時です。業績や成長性、安全性、株主還元がしっかりしていて、投資を検討する価値がありそうです。
  • 75〜89点: 買い時に近い状況です。多くの強みがありながら、改善の余地も少しありますが、全体として魅力的な投資先です。
  • 60〜74点: 様子を見て考えたいところです。いくつかリスクはありますが、長期的には安定したパフォーマンスが期待できるかもしれません。
  • 45〜59点: 少し慎重に検討した方が良さそうです。リスクもありますが、改善のチャンスもあります。
  • 0〜44点: 今は買い控えをおすすめします。リスクが多く、不安が残る状況です。

これらの点を総合すると、INPEXは強固な財務基盤と積極的な株主還元が評価され、長期的な投資先として検討する価値がある企業です。
一方で、成長のスピードにはまだ課題があるため、今後の市場の変化や戦略の進展をしっかりと見極めることが重要です。

INPEXに興味のある方は、この記事を参考にさらなる情報を収集し、ご自身の投資判断に活用していただければと思います。

当ブログは、投資の勧誘を目的としたものではありません。
投資に際しては、ご自身の判断と責任で行っていただくようお願い申し上げます。

しけなぎ

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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